コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回紹介するのは、原作者と作画者の2人で漫画を手がけている2宮(ふたみや)さんの『黒いサンタより。』だ。同作は、泥棒と幼児虐待を受けている女の子によるヒューマンドラマ作品。自身のX(旧Twitter)に投稿されると、感動的なストーリーが人気を博して8.5万件もの「いいね」が寄せられている。
女の子を通じて善の心が芽生えていく「黒いサンタ」
あと数日でクリスマスを迎える、ある日の夜のこと。泥棒の男は、いつものように空き巣に入り、金目のものを漁っていた。無事に盗みを終えた男は、「今月の生活費には足りない」と判断し、また新たに1件の家に空き巣に入った。
部屋の状況から「一人暮らしの男 30~40ってとこか」と推測して中に進むと、奥から男性の大きなイビキが。後は金目のものを盗むだけかと思った矢先、後ろから「おじさん だあれ?」と女の子の「ふゆ子」から声をかけられる。
ふゆ子は「真っ黒な服 真っ黒な夜 大きなカバン」と泥棒の見た目を声に出して整理し、最後に「わかった!」と言った。泥棒は「マズイ…!ここで騒がれるのは!」「封じるか…」と慌てているうちに、ふゆ子は「サンタさんってやつだぁ――!!」と思いもよらぬ答えを導き出したのだった。
何とか危機を乗り越えたかと思いきや、ふゆ子は“サンタさんのお仕事が見たい”といって泥棒の後をついていくことに。それから彼は“黒いサンタ”としてふゆ子と接していくが、彼女のことを知っていくうちに、いじめや家庭内暴力を受けていることにも気づいていき…。
泥棒として生きてきた男と家庭環境に恵まれないふゆ子の関係性に対し、読者からは「ラストの手紙で号泣した」「泥棒の男が改心していく様子に心打たれた」など好評の声が相次いでいる。
そこで原作と作画を担当した2人に、同作を描いたきっかけやポイントについて話を伺った。
ふゆ子の名字に伏線が?
――『黒いサンタより』を創作したきっかけや理由があればお教えください。
原作:「週刊少年マガジン」さんに声を掛けていただき、賞を目指そうとなったため。作品に関しては、居空きを描きたいなあと漠然とあり、シンプルにわかりやすくするためサンタという設定を入れました。
作画:週刊少年マガジンさんの新人賞に出す為です。原作が面白い作品を創作してくれました。
――描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあれば教えてください。
原作:ふゆ子の名字です。ちゃんと登場するわけじゃないのですが、馴鹿(となかい)です。主人公のサンタにつきまとっている「となかい」、キレイな設定だなと我ながら思っております。
作画:作中の中に何度か月が登場するのですが、三日月から最後の満月に近づく流れを作っています。黒い夜の中(2人の心)を照らす光が段々と大きくなっていることを象徴しました。また、少し重いテーマなので柔らかくなるよう、ふゆ子の表情を豊かに面白くするようにしました。
――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共に教えてください。
原作:「お手玉はこっこちゃんだよ」。ふゆ子の幼さ、純粋さが見える一言かなと思います。それでいてストーリーを和やかにしてくれているとも思っています。
作画:やはりタイトル回収にもなる手紙の「黒いサンタより。」というセリフです。作画中もここで感情が揺さぶられました。
――今後の展望や目標をお教えください。
原作:連載を執る目標は当然として。漫画などの仕事で忙しい生活をしてみたいです。
作画:連載をしてプロの漫画家だと胸張って言いたいです。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!
原作:この度は読んでいただきありがとうございます。成長をしていきますので、今後ともよろしくお願いいたします(作画者が欲しいなぁと、、)。
作画:この度はお読み頂きありがとうございます。マガジンさんでも、また作品を発表できるよう頑張りつつ、他サイトで不定期連載が今年配信予定です。SNSで告知致しますので、楽しみにしていただけますと幸いです。
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