半年間に及ぶ放送を3月末で終えた連続テレビ小説「ブギウギ」。代わって4月から放送中の「虎に翼」(毎週月~土曜朝8:00-8:15ほか、NHK総合ほか※土曜は月~金曜の振り返り)でも、「ブギウギ」のヒロイン・福来スズ子(趣里)が所属した“梅丸少女歌劇団”の名前が登場し朝ドラファンを沸かせるなど、余韻はまだ続いている。そんな「ブギウギ」で趣里演じるヒロイン・スズ子と並んで大きな存在感を発揮したのが、草なぎ剛演じる作曲家・羽鳥善一だ。
「君は死ぬまで歌手なんだ」最終週まで強烈な存在感
羽鳥は、スズ子を“ブギの女王”の座に押し上げた音楽の師匠であり、志を同じくする盟友。音楽のことしか頭にない羽鳥の言動はたびたびSNSを沸かせ、ヒロイン・スズ子に並ぶ人気を集めた。特に最終週、引退を決意したスズ子に「絶対に僕は許さないよ。君は死ぬまで歌手なんだ」と立ちはだかった羽鳥の存在はあまりにも大きく、ほぼ1話まるごとスズ子と羽鳥の会話に費やされた第125回は大きな反響を呼んだ。
放送が終わった今も、“羽鳥先生ロス”を訴える声は多い。これほどまでに羽鳥が愛されたのは、福来スズ子のモデルである笠置シヅ子さんの大ヒット曲「東京ブギウギ」の歌詞にある“ズキズキワクワク”を体現した存在だったからではないか。
「福来くんが楽しく歌えれば、それでいいんだ」
羽鳥善一という人物を端的に表すのが、「楽しむ」という言葉であり、姿勢だ。新曲のアイデアを思いついた瞬間に羽鳥が見せるワクワクした表情にはこちらまで心躍ったし、思い返せばスズ子に初めてのレッスンをするシーン(第28回)でも「福来くんが好きなように歌うのが一番いいんだ」「福来くんは今、歌っていて楽しかったかい?ワクワクした?」「歌うのは福来くんなんだ。福来くんが楽しく歌えれば、それでいいんだ。“バドジズ”できればいいんだよ」と、この“楽しむ”精神を徹底的にたたき込んだ。