今、TVerで名作ドラマが期間限定で公開中です。見逃していたらもったいない作品や、ちょうど続編が始まるナイスタイミングなものなど、おすすめのドラマを3本ご紹介します。
『ウソ婚』(カンテレ)
一級建築士で会社社長、タワマンで暮らすモテ男・匠。未婚だといろいろ面倒なので、既婚者だとウソをついていたら、取引先の社長に妻同伴でのパーティー出席を求められて大ピンチ。偶然再会した幼馴染の八重に、半年限定で妻を演じるバイトを持ちかける……と、ウソがウソを呼んでいくドラマ「ウソ婚」なんですが、実は匠はずっと八重のことが好きなのに隠している、これが一番大きなウソ。八重の前ではクールにふるまい、その裏では恋心でもだえる匠がおかしくてかわいい。菊池風磨さんのコメディ演技大好きです。そしてそんな匠の思いに気づかず、懸命に社長夫人のふりをする健気な八重役の長濱ねるさんがまたかわいい。2人のかわいさを、この機会に堪能してください。
『初恋、ざらり』(テレビ東京)
小野花梨さんと風間俊介さんは「この人が出るなら絶対良いドラマになるはず!」と私が個人的に信頼している俳優さんなのですが、「初恋、ざらり」でのおふたりは、期待以上でした。「普通」なことがうまくできないけれど一生懸命な、軽度知的障害のある有紗と、「普通」の基準に悩む岡村さんが、不器用な恋をしていく様子が愛おしい。どうかふたり幸せになってと祈りながら毎週見ていました。それからこのドラマ、テーマ曲が内容にぴったり。オープニングの「あたしの全部を愛せない」とエンディングの「恋の色」、どちらも流れると同時に胸の奥をギュッとつかまれる名曲です。
『6秒間の軌跡~花火師・望月星太郎の憂鬱』(テレビ朝日)
続編の「6秒間の軌跡~花火師・望月星太郎の2番目の憂鬱」の放送前にぜひTVerで見てほしい、すてきなドラマです。
コロナ禍のために花火大会の中止が相次ぎ、暇な星太郎と航の花火師親子。個人のオーダーを受けようか、などと話していたある日、航が「すまん」と言い残して突然死。半年後、1人残された星太郎のもとへ、打ち上げ花火をオーダーしたいという謎の女性・ひかりと、死んだはずの航が現れて、なぜか3人の共同生活が始まる……という、なんとも不思議なドラマ。ひかりと航に振り回され、星太郎の憂鬱のタネが増えていく。彼らの日々を見ているうちに、私の憂鬱な気持ちは「まあいいか」ってスッキリしてしまうのがまた不思議。続編では星太郎にどんな憂鬱が増えるのか、楽しみです。
■イラスト・文/渡辺裕子