被害者の家族でさえも弁護側の証人にしてしまう明墨
明墨の持論は「証拠の数は多ければ多いほどいい」。その心は、「証拠の数が多いのは、強い証拠が見つかっていないから」だという。
まさに今回の事件も、指紋や防犯カメラの映像などはあるが、犯行に使われたであろう凶器、出勤時に着ていたが退社時に着ていなかった上着(返り血を浴びていると予想できる)といった強い証拠はまだ見つかっていない。
一方、明墨は利用できるものは何でも利用する性格。弁護士であることを明かさずに第一発見者に接触し、ギャンブル癖があることにつけ込んで、より詳しい話を聞き出したり。証言能力がまだなさそうな被害者の幼い息子を証人として召喚するなんてことも。しかも、息子を証言させるために、母親に対して少し“脅し”的なことも平気で行っていた。
評決は次回に持ち越し、新たな証拠提出で検事側が逆転を狙う
第一発見者の証言を覆し、新たな証人(息子)の発言で“無罪”を印象付ける。「依頼人の利益のために力を尽くす。それが弁護士です」と明墨は自分のやり方が正しいと言い放つ。
まさに明墨の思惑通りに進み、検察側はぐうの音も出ないほど追い込まれていった。
普通なら、「冤罪になりそうな被告人が救われた」という展開になるところだが、そうではなかった。終盤、明墨は緋山が社長を殺害したことが分かっているような口ぶりを見せている。人を殺したと分かった上で、検察側の証言をひっくり返し、あらゆる手段をこうじて“無罪”へと導こうとしていたのではないだろうか。
今回の事件は第2話へと続く。検察側は“凶器”を発見。確固たる証拠で、今度は明墨をひっくり返そうとしている。まさに「正義とは?」「悪とは?」と考えさせられるシーンの連続。果たして評決は。
視聴者も「主人公の振り切った感じが最高」「主人公は過去に何らかの冤罪に巻き込まれたりしたのかな?」「正義も悪も、曖昧な境界線のもとにあるから、どっちが正しいのかまだ分からなかい。はっきりとした勧善懲悪じゃないところが、この物語の面白いところだと思う」と第1話から明墨のやり方やその人物そのものに興味を持ったようだ。
◆文=ザテレビジョンドラマ部