「どんなパターンがあったとしてもイメージできる」佐々木蔵之介との共演
――先日放送の第2話では、浩一郎が「奏の父・英介を死に追いやった張本人」という事実が明らかになりましたが、台本を読んだ際その展開をどのように感じましたか?
英介の役を佐々木蔵之介くんが演じるというのは、僕にとってはとてもイメージしやすかったんです。それはなぜかというと、15年以上前ですが、蔵之介くんと二人芝居をやったことがあって(演劇ユニット「Team申」の舞台『抜け穴の会議室』)。
その時は輪廻転生の話だったんですけど、何度生まれ変わっても出会ってしまう二つの魂みたいな関係の役柄で、時には兄弟であったり、時には夫婦であったり、時には医者と自分の子供が患者っていう関係であったりっていう、いろんな関係を一本の芝居の中で演じたんです。
芝居の中で、二人はとてもうまくいっていた時もあるし、憎しみ合っていた時もあるし、片方が片方を死なせてしまったこともあって…。それで今回、蔵之介くんが奏のお父さんをやるって聞いた時には、「英介は実は〇〇で…」といういろんなパターンがあったとしても、そこはイメージができるだろうなっていうか、やりやすいんじゃないかなと思っていました。
「目に見える関係性だけがあの親子の過去ではないとも感じた」
――その事実が真樹の口から語られるシーンでは、浩一郎・真樹親子が劇中で初めて本格的にぶつかり合うシーンでしたが、そのシーンを振り返ってみていかがでしたか?
実はそのシーンを撮影する数日前に、亀梨くんから「俺、小学生の時にトオルさんに会ったことあるんですよ」って話をされたんです。それが、「親子が12年ぶりに会う」というシーンを演じる時にかなり役に立ったのかなって。
昔、僕が出演していたドラマに、小学生の亀梨くんが野球少年のエキストラとして来ていて、昼休みにベンチで寝ていたら、誰かにかき氷を口の中に放り込まれてびっくりして起きた。そうしたら、「うわっ、仲村トオルだ!」って驚いた、という話をしてくれたんです。
僕はそのドラマは覚えてましたし、そのドラマのとある回で少年野球チームの子たちがエキストラで出ていたことも覚えてましたけど、その中のひとりの少年にそんなことをしたのはまるで覚えていなくて。
僕の行動パターンとしてほぼほぼしない行為なので、もし本当にそんないたずらをしたのだとしたら、少年が大口を開けて寝ている姿がよほど面白いと思ったか(笑)、すごい可愛い男の子だなって思ったか、そのどちらかだろうなと。
そんな会話を亀梨くんとした数日後に撮ったシーンだったので、自然と親子を演じられたというか。このドラマ上の関係で言うと、大変な事故を起こして、人が死んでしまうような事態になったのに、真樹は12年間姿を消していて。とても穏やかな気持ちでは会えないだろうと。実際、浩一郎は穏やかな気持ちではなかったと思いますが、ただ、それだけがあの親子の過去ではないとも感じたんですね。
真樹の回想として、父親に良くない印象を持ったシーンがいくつか出てきますが、「そうじゃなかった時もきっとあったんじゃないかな」って考えられたというか。だからこの親子も、それこそキャッチボールを一回くらいしたことあるんじゃないかとか、テレビを見て一緒に笑ったこともあるんじゃないかという考えを持てた。それは、亀梨くんが27年前の出来事を雑談風に話してくれた、そのことがとても大きかった気がします。
毎週火曜夜9:00-9:54
テレビ朝日系にて放送中
出演=石原さとみ、亀梨和也、安藤政信、宮澤エマ、矢本悠馬、曽田陵介・田中みな実・高畑淳子、佐々木蔵之介、仲村トオル
https://www.tv-asahi.co.jp/destiny/