原作者と相談して生まれたドラマオリジナルの要素がスパイスに
――原作ファンの多い本作を実写化するにあたって、特に大事にした点を教えてください。
僕自身、電子コミックというものにあまり縁がなかったのですが、パソコンを開いてネットでいろいろと検索をしているうちに、「御社の不倫の件~絶対に別れさせます~」がレコメンドされている時期があって。
その時に気になって読んだのですが、調べていくとすでに1600万回以上ダウンロードされていると知り、これがリアルな本だとしたらベストセラーだなと思ったんです。だからこそ、多くの人が読んでいる原作であるということは肝に銘じました。
映像化する上で大事にした部分でいうと、まず原作者の思いを汲んで、それを絶対に曲げないようにしました。それに加えて、原作を読んだ時に面白いと感じた部分は大切にしたいなと。
第1、2話でいうと、通常のドラマであれば脇役となる小島藤子さん、優希美青さん、戸田昌宏さんのシーンが結構あるんですよ。小島さん演じるさつきがつらい思いをして、そして槇原(戸田)と梨々香(優希)の不倫関係がしっかりと描かれるからこそ、最後に玲が制裁を加える時に視聴者としてはスカッとすると思うので、そこはしっかり描こうと決めていました。
これは原作者さんにご提案させていただいたことになるのですが、なぜ玲が“別れさせ屋”という仕事を始めたのかということは現時点では原作で描かれていないんです。なので、そこを実写化する上で何かしら考えさせていただけないかとご相談して、“ある設定”にたどり着きました。これは原作にはないドラマオリジナルの展開になっています。
――小笠原さん演じるガンちゃんも実写化するにあたってキャラクターを変更されていますよね?
はい、原作だとガンちゃんはオネエキャラなんです。漫画の世界では自然に溶け込んでいるものの、そのまま実写にしてしまうとどう見えるのか、正直不安なところではあって。原作者の方と相談をして、今のガンちゃんが誕生しました。
それに加えて、原作だとガンちゃんは新と同世代という設定なのですが、ドラマオリジナルとなる玲の“ある設定”を思いついた時に、ガンちゃんも近くにいた方がいいですし、「Bar Purple Rose」のあり様を考え、玲とガンちゃんは同じ職場にいたという設定にしました。
実は原作者の方も初期段階では同じような設定を考えたこともあったそうで…思いはズレていなかったんだなと少しうれしかったです。