赤楚衛二、錦戸亮、芳根京子、見上愛らが出演している、巨大病院で巻き起こる権力争いをきっかけに“野心”と“復讐心”が入り混じり、人間の内に秘めた“欲望”がむき出しになっていくリベンジサスペンス「Re:リベンジ-欲望の果てに-」(毎週木曜夜10:00-10:54、フジテレビ系)。思いも寄らない思惑が混じり合い、先の読めない展開をみせている。主人公の天堂海斗(赤楚)の出版社勤務時代の元上司で、病院の事件を追う週刊誌の記者・木下紗耶(見上)の上司である薮田を演じる町田悠宇にインタビュー。本ドラマ以外にNHK大河ドラマ、朝ドラ「虎に翼」などにも出演し、コンスタントに役者としてステップアップ中の町田に26歳で俳優になったきっかけ、目指す俳優像についてなど語ってもらった。
26歳で俳優に「お芝居は1人でできないので面白いです」
――「Re:リベンジ―」では部下に厳しい上司を演じていますが、そもそも町田さんは26歳のときに俳優になったとのこと。どのようなきっかけで俳優になったのですか?
福岡のモデル事務所のスタッフの仕事をしていたのですが、福岡ではメンズモデルの仕事がそんなに多くなく、自分たちで何かしようと劇団を作り舞台をすることになったんです。そこで僕も一緒にやっていくということになり、初めてお芝居というものを挑戦しました。初めは何をしたらいいのか、お芝居の楽しみ方も分からなかったのですが、次第に面白いと感じるようになって…という感じです。なのでかなり遅いスタートです。
――俳優になることに対して戸惑ったりしましたか?
元々目立つことが好きなタイプなので、戸惑いよりも楽しみたいという気持ちの方が強かったです。ただ思った通りにお芝居ができなかったり、悔しいことも多く…。特に最初は何もかもがわからず大変でした。初演の会場はライブハウスだったのですが、途中、僕らの芝居に皆さんが飽きてきてドリンク注文のために席を立ち始めたり、ドリンクを入れる音で台詞が聞き取れなくなってしまったりと散々で(笑)。今考えると、ライブハウスでお芝居をすること自体がおかしいのですが、当時はそれさえも分からなかったんですよ。そこからいろんな舞台を見に行ったり、芝居について勉強したりと少しずつお芝居の世界に入っていき、楽しさを知っていきました。
――芝居を面白いと感じ出したのはいつ頃ですか?
今も演じていて楽しむ余裕はまだないですが、30歳になってからじゃないですかね。色んな方とお芝居をして、自分の考えたプランとは違う演技ができることの面白さを知っていったというか…。そして少しでも褒められたりするとそれがガソリンになって、次につながっていく。自分1人でできないのが面白いです。
話題作にも続々出演「現場で学んだことを活かしていきたい」
――2021年には大河ドラマ「青天を衝け」、2022年には大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(ともにNHK総合)に出演されるなど、映像作品にも活躍の場を広げていきましたが、現場はいかがでしたか?
上京して最初の映像作品が「青天を衝け」でした。当時はもう訳が分からなかったですね。ただ、色んな役者さんの演技を間近に見て、現場の空気を肌で感じられたのはすごくラッキーでした。なかでも、皆さんがリハーサルから本番にかけて演技を変えてきたり、リハーサルでいろいろ試されている姿を見て、かなり勉強になりました。
――その後、「親愛なる僕へ殺意をこめて」(22年、フジテレビ系)や「春になったら」(24年、カンテレ系)などに出演。現在も「Re:リベンジ―」のほかに連続テレビ小説「虎に翼」(NHK総合)にも今後登場するなど、出演作が続いていますね。
今回の「Re:リベンジ―」もですが、お芝居ができる場が少しずつ増えているのはすごくうれしいです。そしてこのありがたいチャンスに、これまで学んだことを活かして一生懸命お芝居をしようと思っています。どうしても年齢を重ねてくると常識とかこれまでの経験値で安全な方に進みがちになるのですが、それではダメというか…。ある種、いい意味で開き直れることを自分の課題にしています。
――ご自身の武器はどこだと思いますか?
難しい質問ですね(笑)。自分では意識していなかったのですが、最近よく言われるのは“目”です。ただその武器の使い方はイマイチ掴めていないのですが(笑)。自分ではコンプレックスだった目が武器になるというのはちょっとおもしろい気もします。