長妻怜央に感じた縁
――長妻さんはいかがでしょう?
長妻さんは、蓮見像を考えた際に真っ先に浮かんできました。詩杏&律子と並んだ時に男性として存在感が出せるビジュアルと、詩杏でさえもつい心を許してしまいたくなる包容力の兼ね備えた蓮見になると思ったんです。
ちょうど「ブラックファミリア」(2023年、読売テレビ・日本テレビ系)に出演されていたのを拝見していて、お芝居の面でも安心してお任せできると思いましたし、スタッフからも話を聞いていてぜひ一度ご一緒してみたいと思っていたところで、まさにハマり役だと思いました。
実は最初どうしてもスケジュールが合わず、泣く泣く諦めるしかない…という状況で、お断りのご連絡をいただいた時もすごくやってみたかった役だった、と蓮見役への熱量をマネージャーさんから伺っていたんです。しばらくして「ブラックファミリア」のプロデューサーが長妻さんと会う機会があり、その中で「実は一度お断りしたものの、その後スケジュールが空いて…」という話が出たようで、それを聞いたプロデューサーから私のところにすぐに電話が来て…思ってもみないありがたいお話で、改めてオファーをさせていただきました。本当にありがたいご縁です。
キャスト陣の裏側を告白「三人でじゃれあってることも」
――伊藤Pから見て、座長である松井さんは撮影現場ではどういった印象でしょうか?
役柄の詩杏以上に、松井さんご本人は男前でかっこいい姉さん! っていう感じです。長妻さんがムードメーカーとして現場を笑わせ、長野さんはみんなの弟的なポジションで「りっちゃん、りっちゃん」と愛でられているのですが、周囲がボケ担当が多めの中、松井さんがバシッとツッコミを決めてくださるような頼れる座長でした。
頼れる姿はもちろんオフの部分だけでなく、演技の面でも今回作品全体を引っ張り上げてくださったなと思います。シリアスなシーンも多い作品でしたが、そういう集中力が必要なタイミングで、松井さんの「ここぞ」という入り込み方は空気感で分かるというか…その姿を見て、一緒にお芝居されているほかのキャストの皆さんはもちろん、スタッフもその気迫でこのシーンに向き合うんだ、といういい意味の緊張感を作ってくださったと思います。
――お三方は撮影現場でも仲良しなんですね。
仲が良いのはもちろん、本番とカットかかった後のメリハリがすごいです。シリアスなシーンも多い中、さっきまで血まみれになっていたかと思えば、カットがかかった瞬間じゃれあっていることも(笑)。スタッフに対してもフレンドリーに接してくださるので、本番中以外は笑いの絶えない現場でした。シーンとしては、気持ち的にも負担が大きい場面も多かっただろうなと思いますが、常にいい空気感で撮影を進められたのは、お三方のお人柄です。
――伊藤Pのお気に入りのシーンやせりふはありますか?
5話で詩杏のもとへ律子が駆けつけて、部屋で詩杏に律子が寄り添うやりとりはお気に入りです。撮影としては結構早いタイミングでこのシーンを撮ったのですが、お二人があの温度感でこのシーンを演じてくださったことで、作品全体の二人の心の距離感や、関係性の方針が決まった大事なシーンです。いい意味での弱さ、人間らしさが出たシーンだと思いますね。
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