いつの時代も、医療ドラマは人気ジャンルの一つ。中でも初放送から15年以上を経ても色あせない輝きを放つのが、若手医師たちが一人前のフライトドクターを目指すドラマ「コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-」シリーズ(2008年ほか、フジテレビ系)。現在FODで順次無料配信中の1st seasonから、藍沢耕作(山下智久)らが初めて大規模な災害現場に急行した第5話のエピソードを振り返る。(以下、ネタバレがあります)
緋山、患者の“死”に直面する
藍沢と白石恵(新垣結衣)、緋山美帆子(戸田恵梨香)、藤川一男(浅利陽介)が一人前のフライトドクターへと成長していく姿を描いた「コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-」シリーズ。1st season第5話「過去」で藍沢たちは、多数の重傷者を出したガス管爆発事故現場へと赴く。
藍沢と白石は、爆風で吹き飛ばされた衝撃で腹部に鉄骨が突き刺さった状態の患者の処置へ。一方、緋山は倒れていた患者の処置を始めるが、その患者は大量出血ですでに危険な状態。緋山の「助けに来ました」の言葉を聞いて「ありがとうね、先生」と微笑んだのを最後に容体が急変し、そのまま心停止した。
「お前、医者だろ?」
これが、フェローたちにとって初めてと言える大規模災害現場だった。緋山は「ありがとうって言われたんです。助けられなかった患者さんに…」と、ぼう然自失。ヘリを操縦する梶寿志(寺島進)に「お前、医者だろ? だったらそれは、避けて通れないことなんじゃないのか」と現実を突きつけられる。
同じく危険な状態の患者を前にした藍沢と白石も、葛藤する。シニアドクターやレスキューはほかの患者にかかりきりで、手があかない。ヘリに乗せたくても、鉄骨から体を抜いた瞬間に動脈から血があふれ、一気に危険度が跳ね上がるのは明白だ。徐々に心拍が弱くなり、意識混濁していく患者を前に、藍沢は決断を下す。
ポニーキャニオン