舞台「う蝕」
「エダニク」「人の気も知らないで」の横山拓也と、「スラムドッグ$ミリオネア」「ザ・ビューティフル・ゲーム」の瀬戸山美咲がタッグを組んで作り上げた“男だけの不条理劇”「う蝕」が6月16日(日) 夕方5:00に放送。
初主演映画で第32回日本映画批評家大賞の新人男優賞を受賞し、映画やテレビへの出演が絶えない坂東龍汰をはじめ、近藤公園、注目を集めている綱啓永、名バイプレーヤーの正名僕蔵、新納慎也、相島一之らが集結。実力派俳優6名の競演とあって、見ごたえ十分の濃密な舞台劇として評価も高い。本編終了後には、演出の瀬戸山美咲、出演の坂東龍汰、近藤公園のアフタートークも放送する。
●「う蝕」あらすじ
小さな漁村、沈丁花が見事に咲く瑞香院という神社、あとは海沿いのささやかな温泉があっただけのコノ島が、25年前のリゾート開発でおかしなデザインのホテルが建ったり、温泉施設ができたり、本土との定期連絡船が設定されたり、随分様変わりした。
そのことが直接関係あるわけではないだろうが、コノ島を「う蝕(しょく)」が襲い、島のあちこちを陥没させて、たくさんの人を飲み込んだ。この地盤沈下のような現象を「う蝕」と言い出したのが誰なのかは不明だが、まるで虫歯がジワジワと侵食してくるように、地面にポッカリと穴を開けていく。
犠牲者の身元判明のために集められた歯科医師たちがいる。コノ島に移住して歯科医院を開業している根田(新納)、本土からやってきたこだわりが強い歯科医師の加茂(近藤)、臨床実習で加茂に世話になったという木頭(坂東)の3人。しかし2回目の「う蝕」によって被害はさらに拡大し、コノ島に全島避難指示が出された。
まだ自分たちの仕事は終わっていないと、ここに留まることを選んだ歯科医師たち。そこに、役人の佐々木崎(相島)と2度目の「う蝕」のニュースを聞いて居ても立ってもいられなくなった派手な出立ちの歯科医、剣持(綱)が本土からコノ島に渡ってくる。
土砂を掘り起こす土木作業員が来てくれないことには、今、彼らにできる作業はなにもない。しかし、作業員たちは待てど暮らせどやってこない。現れたのは、思わせぶりに白衣をまとった久留米(正名)という男。彼は言う。「この中に、ここにいるべきではない人間がまざっている」と。