制作して感じた、スマホとテレビの違い
――原作を実写ドラマ化するにあたって、苦戦したこと、大変だったことはありますか?
一番大きかったのは、主にスマートフォンで読むWEBTOONと、テレビドラマの見方の違いです。スマートフォンでいつでもどこでも気軽に読めるWEBTOONに対し、視聴者の時間をある程度画面の前に拘束するドラマ。原作をベースに掘り下げて、さらに肉付けをしていく作業が大変でした。それから、ドラマでは恋愛軸を増やしていきましたので、光星の優香への歪んだ愛を構築することはとても苦労しました。
――桑原Pのお気に入りのシーンやせりふ、また視聴者が喜びそうな裏話が教えてください
11話での春美さんの「血の繋がりがすべてじゃないでしょう?」というセリフはとても好きです。単なる復讐ドラマに終わらせず、家族や幸せについて描きたいという思いで作ってきましたので、やっとこのセリフまでたどり着いたという気持ちでした。
裏話としては、前半あまりお天気に恵まれなかったので、スケジュールの都合で雨でも撮らなければならず…2話で優香が雨の中、傘をさして現れるのですが、元々は雨を想定していなかったので、傘の用意がなく、スタイリストさんの私物の傘を監督が使おう、と。結果、とても綺麗で印象的な画になったと思います。
最終回では「復讐して得たものをお見せします」
――視聴者からSNSの反応をどのように感じていらっしゃいますか
中々見ることは勇気のいることなのですが…視聴者の方々がそれぞれの思いを語ってくださったり、カン妻の世界観に入り込んだからこその賛否を書いていただいて、とてもありがたく熱い思いで拝見しておりました。
――最終回に向けての見どころと視聴者へのメッセージをお願いいたします
このドラマは単なる復讐にしたくない、そこに繰り広げられる愛憎や葛藤を丁寧に描きたいという思いで制作してまいりました。本来、復讐とは無縁だったはずの優香が、復讐を通じて得たものを最終話ではお見せします。ありがちな表現ではありますが、本当の幸せとは何なのか、このドラマを通じて見て考えていただけたら本当にうれしいです。スタッフ一丸となって思いを込めて作ってきた「肝臓を奪われた妻」ぜひ、ご覧ください!