音楽って当時を思い出すのに一番わかりやすいツールだと思っている
――本作の舞台は1995年ということで、ドラマの中でも懐かしい音楽やファッション、街並みなども登場しており、当時を知っている世代は「懐かしい」と感じますし、知らない若者たちからは「新鮮だ」という声が多くありますが、その辺りはどのようにこだわって作っているのでしょうか?
95年をどこまで95年っぽく見せるか。もちろん95年の渋谷で撮ることはできないので、完全再現はできないんですけど、何となく懐かしい雰囲気がしたり、90年代っぽかったり…。そういうのが匂ってくる世界観にはしないとダメだなとは最初から思っていたので、その世代の城定監督と脚本の喜安(浩平)さんにお願いしたというのもありました。
撮影では役者が95年の高校生として集中できるように、なるべく現代物が写らないように工夫したりとか、ファッションやメイク、小道具などもですが、音楽って当時を思い出すのに一番わかりやすいツールだと思っているので、音楽にもすごくこだわりました。
あとは95年の話なので、ちょっと色味がフィルムっぽいというか、そういう部分もカメラマンと監督で相談して調整していただいたりしています。
――中川さんの薄い前髪のヘアスタイルもすごく似合っていますよね。
カッコイイですよね。監督も青春時代が95年前後だったりするので、衣装合わせのときに、なんとなく“90年代ってこんな感じだよね”っていうのをみんなが想像できるようにしようとしていて。
かといってダサくするのは違うと思っていて、90年代のファッションを彼らがやることでかっこよくなるというか、そういうニュアンスになるといいなという話はわりと最初の段階からしていました。
なので、中川さんの薄い前髪もすごくカッコイイですけど、きっとイケメンに限るっていうやつです(笑)。