自由気ままな五郎には「ちょっと憧れてしまいます」
——その記憶や体験は今回の演技にも活かされているのでしょうか?
実生活では今回の役どころのように経営をしているわけではないので(笑)。でもやっぱり昔から銭湯をいろいろ調べたりしていたので興味があったんだと思います。
例えば友達の家に泊まりに行ったときや、都内でも、それまで行ったことがなかった場所で銭湯を見つけるとすぐに行っていました。お湯が何種類もあるとか、冷蔵庫にある飲み物とか。
舞台で地方公演に行くと、みんなで一緒に銭湯に行ってたんですよ。そうやって、いろんな銭湯を見てきたので、今回、雰囲気はすごくよく分かっているつもりです。
——今回、失踪したり戻ってきたりする役柄を演じる中で、共感するようなところはありましたか?
五郎のようにあっちへ行ったりこっちへ行ったりできるっていうのはうらやましいですね。ちょっと憧れてしまいます。
——高橋さんがもしもやむを得ない事情で失踪することになったら、一日どういう動きをしますか?
追い込まれているはずだから、まずはとにかく逃げなきゃ(笑)。でもやっぱり戻るとしたら、きれいにしてからみんなに会いたいと思うんじゃないでしょうか。だからきっとその前に銭湯に行きますね。
銭湯ってやっぱりそういうところがありますよね。今だとサウナで「整う」っていうのがありますが、やっぱり「整理をつける」っていう気持ちの面もあると思います。
——そうした銭湯ならではの魅力があると思うのですが、最後に五郎さんなりのメッセージがあればお聞かせください。
見た後に、「あ、今日は家のお風呂じゃなくて銭湯行ってみよう」と思っていただけたらいいなって思いますね。やっぱり家のお風呂より大きいですからね。
まだ混んでいない時間帯、開店したばっかりの空いているときがいいんですよ。風呂桶が「ゴーン!」とかいって響くんですよ、人がいないから。ああいう独占する感じがいいですよね。歌とか歌っちゃいたくなるような。