長谷川博己主演の日曜劇場「アンチヒーロー」(毎週日曜夜9:00-9:54※最終回は夜9:00-10:19、TBS系)の最終回が6月16日(日)に放送される。同ドラマは、長谷川が7年ぶりに日曜劇場で主演を務める、日本の司法組織を舞台とした“逆転パラドックスエンターテインメント”。「正義の反対は、本当に悪なのだろうか」ということを視聴者に問い掛け、スピーディーな展開で次々と常識を覆していく。
長谷川は「殺人犯をも無罪にしてしまう」“アンチ”な弁護士・明墨正樹を演じ、明墨と同じ法律事務所で働く同僚弁護士・赤峰柊斗役の北村匠海、同じく同僚弁護士・紫ノ宮飛鳥役の堀田真由、パラリーガル・白木凛役の大島優子、東京地方検察庁の検察官・緑川歩佳役の木村佳乃、検事正・伊達原泰輔役の野村萬斎らが脇を固める。
ほか、冤罪で死刑囚になっている志水裕策役の緒形直人、志水の娘・牧野紗耶役の近藤華、殺人容疑で起訴されたが明墨の手によって無罪となった緋山啓太役の岩田剛典、紫ノ宮の父であり千葉県警刑事部長・倉田功役の藤木直人、明墨の検察時代の同僚・桃瀬礼子役の吹石一恵らが出演。
このたび、WEBザテレビジョンでは、最終回を目前に、同ドラマのプロデューサーを務める飯田和孝氏にインタビューを実施。キャラクターの名前に隠された思いやドラマ制作のこだわり、最終回の注目ポイントなどを聞いた。
「頑張った結果をとにかく見てほしい」
――すべての撮影を終えて、今率直に感じていることを教えてください。
充実感とかそういったところはまだ実感がなくて、とにかく最終回を見ていただきたいという思いが強いです。世の中に出すものなので恥ずかしくないものをつくらないといけないですし、それを頑張るのは当然なのですが、スタッフ、キャスト、関わった人が頑張った結果をとにかく見てほしい。見て判断してほしいし、理想を言えば、第9話までをU-NEXT ParaviコーナーでもTVerでもNetflixでも全部振り返ってもらって、最終回をリアルタイムで見てほしいです。
――ここまで見事に主演を演じ切った長谷川博己さんへの思いをお聞かせください。
2023年の3月にオファーしてからなので、もうかれこれ1年と3カ月ぐらい、「アンチヒーロー」の明墨と併走してきてくださり、本当に“お疲れ様でした”とお伝えしたいです。
改めて、唯一無二な俳優さんだと思いましたし、作品に向き合う姿勢が本当に素晴らしく、キャラクターをつくっていく作業を一緒にやっていく中で、明墨というキャラクターを良くしようというだけでなく、ドラマ全体を面白いものにしようという熱意と、周りを巻き込む力をすごく感じました。本当に尊敬しています。
――ここまでの明墨と伊達原の対決についてはいかがですか?
伊達原の役に関していうと、いわゆる日曜劇場の勧善懲悪像で倒される敵というよりは、もっと人間味があって悲哀のある感じをこの役に込めたかったんです。萬斎さんにはその物悲しさみたいなものを表現していただけるのではないかと思い、キャスティングさせていただきました。
そこに、長谷川さんとの関係性がプラスされて、うまくシンクロしていったように思います。2人のコミュニケーションを見ていると、言葉数多く語らうわけではないのですが、意思疎通というか、何かを感じ取っているような掛け合いがあって、そういった2人の実際の関係性が演技にも影響しているのではないかと思っています。
SNS上での反響も実感「そこからいろいろな課題が見つかったりする」
――第9話のラストシーンで白木の裏切りが明るみになり、視聴者の考察も盛り上がっていますね。
大島さんのインタビュー記事を拝見したら、「私にもついに来た」というようなことを仰っていましたね。もちろん、白木の第9話の一連の流れも最初から想定していたことです。
皆さんが「これは絶対に作戦だと信じたい」と、裏を読んで議論してくれているのが面白くて、信じたいということは、“仲間であってほしい”とキャラクターに対する愛着を持ってくれているということではないかといった発見もありました。
白木は時々意味深な感じを出してきましたが、実際に赤峰や紫ノ宮に嫉妬心が芽生えてきているというのも事実なので、そこが最終回でどうつながっていくのかというところにも注目していただきたいです。
――SNS上で考察などが盛り上がる様子を見てどう感じていらっしゃいますか?
“しめしめ”な部分ももちろんあるのですが、実はそこからいろいろな課題が見つかったりするんですよね。途中からは、「これだとこう感じる」「ここはもっと繊細にやらなくてはいけない」といった投稿の方が目について、そういう目の肥えた方の意見はとても貴重なので、勉強として捉えさせていただいています。
非常に難しいなと思ったのは、一つの事柄がつながってくると、閉じられた世界のすごく狭い範囲の話としてご都合主義に映ってしまったり、僕もよくいろいろなドラマを見ていて思うのですが、「それってもっと前から気付いてたでしょ?」というツッコミが出てきたり。
そこは、パズルの埋め方の難しさを感じつつ、非常に面白がりながらやったところで、ほころびが出ないように細心の注意を払いながらつくっていきました。4人の脚本家がいて良かったです。
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