夏の注目ドラマと言えば、毎週月曜日夜9時から放送の「海のはじまり」。Snow Manの目黒蓮が、初の父親役で月9ドラマに主演する。プロデュースは、2022年の大ヒットドラマ「silent」以来、目黒とのタッグは2度目となるフジテレビの村瀬健氏。本作に込めた思いと、プロデューサー目線で目黒の魅力を語っていただいた。
目黒蓮という人の良さ、誠実さや真面目さを役に投影
脚本の生方美久さんと僕のタッグは今回が3作目です。『silent』で恋愛・純愛を、『いちばん好すきな花』(‘23年)で友情をテーマに描いてきて、今回やりたいのは〝親子〟です。さまざまな母や父と子の関係を丁寧に描くことで、〝人〟を描いていきます。
『silent』で生方さんと僕が感じた目黒蓮という人の良さ、誠実さや真面目さを、(目黒が演じる)夏にも投影しています。その意味で今回も目黒さんへのあて書きです。目黒蓮主演で夏の〝月9〟を作るならキラキラしたラブストーリーを、という方も多いと思うんですが、僕らは今の年齢で今のキャリアの目黒さんにこの役をやってほしいと思ったんです。『今からお父さんになる』のではなく『お父さんだった』、これが今回の新しさ。夏が自分はもうお父さんになっていたと知る話、それを今、目黒さん主演でやりたいと思いました。
「silent」のあのシーンから・・・
〝目黒蓮と子ども〟の原風景は、『silent』の1シーン。図書館で、目黒さん演じる想が小さい子を抱き上げて本を取らせてあげるというシーンがあったんですが、その時の目黒さんがすごく良かったんです。今回〝夏が自分は父だったと知る物語〟というアイデアは生方さんから出たんですが、聞いてすぐに、僕の中で世界が広がりました。
実はこの企画、かなり早い時期から目黒さんにも話をしてきました。一度、目黒さんと2人でご飯を食べながら結構深く話をした日があって、このドラマの内容も深いところまで話したんです。その時に僕の大好きな、真摯に作品に向き合う目黒さんの姿が見えたので、そういう姿も脚本の中には反映されていると思います。このドラマは決して暗く重いものにはしようと思っていません。丁寧に描いた結果、涙する場面も出てくるとは思いますが、その涙は決して絶望の涙ではなく、温かい、優しい気持ちで流れる涙だと思っています。
今、地上波のドラマが面白くなっていると感じています。僕らもドラマファンがいてくれることを日々感じているので、そんなドラマファンの皆さんに届くものを、と一生懸命作っています。ぜひご期待ください。