現実とリンクしたテーマが共感を獲得
本作の魅力の一つは、作中でのテーマが現実とリンクしていること。そのテーマとは“世の中の気象リテラシーを高める”。作中では天才気象予報士の晴原が時に“ハルカン”という好感度の高いキャラクターも使い分けて、あらゆる面から気象へ興味を持ってもらえるよう奔走。
それを見ている視聴者もまたドラマとしてストーリーを楽しみながら、気象リテラシーが高まるという実に有意義なテーマをもった作品だった。梅雨入り後、連日のように線状降水帯や大雨警報に対する注意が報じられていたが、こうした言葉を聞いて「ブルーモーメント」を思い出した視聴者も少なくないはず。
SNSには「実際に大雨警報とかの中でみてるブルーモーメントがすごすぎて」といった声も。最終話では観測史上最大級の台風による被害が描かれたが「いつか起こりうる災害なんだと思うとこわい」「こういうことが今後起こる可能性だって充分あり得るんだよね。最近の天候見てるとそう思う」といった声があがっており、視聴者の気象に対する意識を変えることに成功したといえる。
心動かす名言の数々
最終話を終えて、視聴者からは「身近な災害ばかりだなぁと思って見ていたけど、身近な災害なんじゃなくてこんなに沢山の災害がこんなにも身近なものなんだと気づかされたドラマだった」「勉強になるところも多かった」「最高でした毎回感動でした ほんと天気の見方変わったし災害の怖さ改めて学んだ」といった声が。
気象に関する緊張感だけでなく、晴原がせりふの中で伝えてきた人生観も視聴者の心を動かしてきた。「奇跡は祈るもんじゃない、奇跡は準備するもんだ」「絶望も悪くない」「おせっかいも100回続けば強い愛情」「いつも通りの朝を迎えられるのは奇跡」など、晴原のみならず様々な過去を抱えたキャラクターたちのせりふは視聴者に強い印象を残し、SNSには「伝えてくれるメッセージ その一つひとつを忘れません」といったコメントが。
「またいつか、気象をテーマに扱うドラマが見られたらいいな」「シリーズ化してくんじゃないかって期待してるの私だけ?」など続編を望む声も。放送が終了した後も何気ない日常でふと思い出すような印象深い作品になったといえる。
◆文=KanaKo