テレビアニメ「ザ・ファブル」(毎週土曜深夜0:55-1:25、日本テレビ系/ディズニープラスで見放題独占配信)の第13話「アニキ……アニキ……。」が6月29日に放送・配信され、シリアスなシーンとコミカルなシーンの絶妙な塩梅の構成に、SNSでは絶賛の声が上がった。(以下、ネタバレがあります)
“殺しの天才”が殺さずに場を収める
同作は、岡田准一主演で実写映画化されて話題を博した南勝久による同名人気コミックをアニメ化したもので、殺しの英才教育を施された“殺しの天才”・通称「ファブル」(CV:興津和幸)が、ボス(CV:小村哲生)から「1年間誰も殺してはならない」という指令を受け、“佐藤明”として人殺しをしない暮らしを送る姿を描く。
第13話では、小島(CV:津田健次郎) と砂川(CV:高橋耕次郎)らが一触即発の中、一瞬で両者を殺さずに片付け、岬(CV:花澤香菜)を助け出した上で、小島の身柄をさらった明。砂川は小島をさらった存在がファブルだと知り、ファブルの情報を得ようと動きだす。一方、海老原(CV:大塚明夫)の前に連れて来られた小島は、海老原から叱責を受けた後、海老原の手によって命を落とす。海老原は、15年間の刑務所暮らしを経て時代錯誤のヤクザとなってしまった弟分の小島をハンドリングできずに手にかけざるを得なかった状況に思いをはせながら、万感の思いで小島の遺体を見つめる。その後、海老原は砂川に小島の命と引き換えに事態の終息を迫った。
そんな中、明のおかげで逃げ出せた岬は、自宅の鍵を現場に置いてきてしまっているため入室できず、洋子(CV:沢城みゆき)の部屋に身を寄せる。洋子に薦められて入浴していた岬は、急な発熱で卒倒。後日、明が描いた岬をモデルにしたイラストをほほ笑ましく見ていると、裸の岬を明と洋子が運んでいるイラストを見つけ、明に裸を見られてしまった事実を知り、赤面してしまう――。
“お涙頂戴”の人間ドラマにはしないエンタメ性
第12話での、「ファブル」の“無双ぶり”を描いたシーンから一転、弟分を手にかけざるを得なかった海老原の惜別の念や、他に生き方を知らなかった小島の哀愁など、切なさがあふれるシリアスな場面がありながらも、明のイラストを見て洋子が大笑いするシーンや、倒れた岬を助けようとする時の洋子の発言と明の冷静なツッコミの掛け合い。倒れた時の状況を聞いて岬が赤面する一方、目を開けたまま寝落ちする洋子など、コミカルなシーンをちりばめることで、“お涙頂戴”の人間ドラマにはしないエンタメ性を担保した演出で、深みのある内容に昇華させていた。
SNS上でも、シリアスなシーンに対する感想とコミカルなシーンに対する感想が同じくらい寄せられるとともに、作品の緩急やテンポ感を絶賛する声が多く上がった。また、「来週も続くんだよね!?」「まさかの連続2クール!」「2期目も楽しみ」など、休止期間を挟まず2クール目に続くことへの歓喜の声も見られた。
◆文=原田健
※高橋耕次郎の「高」はハシゴダカが正式表記
https://www.disneyplus.com/ja-jp/series/the-fable/
▼ディズニープラス特集ページはこちら
▼2024年4月期の春アニメ一覧はこちら▼