拷問や激しく叱咤されるシーンが多い粂八について「俳優としてやりがいを感じるシーンなので、演じていて楽しかった」
――粂八のキャラクターについて、和田さんはどのように捉えましたか?
盗賊なので、〝真面目〟っていうのもちょっと変なんですけど…プライドを持って生きていて、実直なキャラクターだと感じました。
――粂八を演じる上で、何か特別な準備などはされましたか?
撮影が始まる前に、一度山下智彦監督と食事に行かせていただく機会があったので、二人が考える粂八について、熱く語りつつすり合わせを行いました。
――粂八は、平蔵による拷問シーンや激しく叱咤されるシーンなど痛みを伴うシーンが多くありました。そのようなシーンを演じる苦労や工夫などはありましたか?
拷問シーンなどは、やはり俳優としてやりがいを感じるシーンなので、演じていて楽しかったです。そのようなシーンを演じる時は、僕は自分の世界に入り込みたいタイプなので、それを察してか共演者の方々もそっと一人にしてくれていたので、気持ちも作りやすかったです。
ただリハーサルでは皆さんギリギリのところで竹刀などを止めてくれていたんですが、本番では熱が入ってしまったのか、時々当たっていたので、痛い思いもしました(笑)
共演して感じる松本幸四郎&古田新太の凄み
――「でくの十蔵」では、火付盗賊改方の同心たちとの共演はあまりなかったため、「血頭の丹兵衛」での同心たちとの共演シーンには新鮮味を感じました。
最後の丹兵衛と平蔵たちが対峙するシーンで、同心の方々の立ち回り姿を初めて見ました。場所がかなり狭かったんですが、その中でも各々のキャラクターを出しつつ、すごく器用にやられていたので、「やっぱり、鬼平犯科帳にはすごい人たちが集まっているんだ」と感心して見入ってしまいました。
――平蔵や登場人物たちによる胸に響くセリフも本作の見どころの一つだと思いました。特に印象に残っているシーンやセリフは?
牢獄で死を覚悟している粂八が平蔵に、「島田宿に行かせてください」と懇願するシーンは、自分のお頭だった丹兵衛に対しての恩を忘れない、実直な粂八の人間味を一番感じることができるシーンなので、とても印象に残っています。
――血頭の丹兵衛役・古田新太さんとの再会のシーン、そしてラストシーンは手に汗握る緊張感がありました。対峙した古田さんの凄みを感じる瞬間があればお聞かせください。
古田さんは、キャラクターを作るのではなく、自分に役を持って来ることができるタイプだと感じました。自然体の演技で、怖さだったり優しさだったり悲しさだったりをストレートに表現できることは凄さの一つだと思います。また耳に残るような、あの色気のある声。丹兵衛のセリフも状況によって声のトーンが違って聞こえました。
――松本幸四郎さん演じる平蔵との共演シーンも多くありました。幸四郎さんとの印象的なシーンはいかがですか?
幸四郎さんとの共演シーンは全て印象的です。二人が対峙するシーンでは、僕の目の奥を見るような芝居をされるので、全身をえぐり取られているような感覚でした。一方で、カメラに映っていないところではふざけていたり、たまに気遣ってくれる姿が、平蔵の優しい部分とリンクしていたので「ツンデレだ」と思いながら撮影していました(笑)
連続シリーズ「鬼平犯科帳 血頭の丹兵衛」(2024年)独占初放送
7月6日(土)よる7:00/7月7日(日)ひる1:00ほか
原作:池波正太郎『鬼平犯科帳』(文春文庫刊)
監督:山下智彦
脚本:大森寿美男
音楽:吉俣良
出演:松本幸四郎
仙道敦子 中村ゆり 火野正平 和田聰宏
本宮泰風 浅利陽介 山田純大 久保田悠来
橋爪功 波岡一喜 古田新太
■時代劇専門チャンネル
『鬼平犯科帳アフタートーク「血頭の丹兵衛」編』
出演 :松本幸四郎 本宮泰風 浅利陽介 久保田悠来
ゲスト:和田聰宏 波岡一喜
※「鬼平犯科帳 血頭の丹兵衛」各回本編終了後に放送!
※7月6日(土)は下記作品も放送
午後4:00 テレビスペシャル「鬼平犯科帳 本所・桜屋敷」
午後5:50 連続シリーズ「鬼平犯科帳 でくの十蔵」
■時代劇専門チャンネル 松本幸四郎主演「鬼平犯科帳」特設ページ
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