コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回紹介するのは、ガンガンONLINEにて9月28日から連載開始が決定した、内野こめこさんが描く「葵くんはムキムキ彼女を肯定したい」。
作者の内野こめこさんが6月30日に本作をX(旧Twitter)に投稿したところ反響を呼び、5000件を超える「いいね」が寄せられ話題を集めている。この記事では、作者・内野こめこさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。
モリモリの筋肉、どう隠す…
スタイリストのアシスタントとして日々を過ごす葵は、158cmという男子の平均よりもはるかに低い身長を気にし、せめて外見だけでも強くあろうと、髪色に服装、いろんな努力をしていた。
そんなある日、おばあちゃんからスタイリングの依頼が。おばあちゃんが営む花屋でバイトする真珠の婚活パーティー用のスタイリングをしてあげてほしいとのことだった。昔からレスリング一筋でジャージとTシャツしか持っていないという真珠。極めつけは186cmという恵まれた体格と、鍛え上げられたモリモリの筋肉。“この筋肉をどう隠すか”葵は難しく感じながらも、スタイリストとして頼られたことが素直に嬉しかった。そして葵はスタイリストとしての知識を生かし、体格をカバーできる服を見事に選んでみせた。
真珠はもともとその恵まれた体格と努力で、公式戦無敗の女子高生としてオリンピック出場が期待されていた。しかし選考会直前にスランプに陥り、また身長がさらに伸びたことで最重量級ですら体重オーバーに。結局代表権を逃し、少し前に現役を退いたのだった。
レスリングしかしてこなかったから他に何もできないと打ち明ける真珠。そんな真珠を応援したいという気持ちが芽生えた葵は、当日のメイクまで担当することに。
そして迎えた当日。心配すぎて変装してパーティーまでついてきてしまった葵は、婚活目的に見せかけたマルチ勧誘の男たちが「押しに弱そう」「一応女だし」という話をしているのを聞いてしまう。
オドオドして、目立たないように小さくなっている真珠。そんな様子を見て葵は、これでよかったのだろうかと思うようになる。真珠に必要なのは“筋肉を隠すスタイリング”じゃなくて“肯定するスタイリング”なのではないか。真珠の魅力は筋肉なのではないかと。金メダルなんかなくても、もっと綺麗で価値あるものを持っていると気づいた葵。真珠への恋心にも気づきはじめ…
低身長なことにコンプレックスを抱く男子と、高身長をコンプレックスに感じるムキムキ女子が、じわじわと距離を縮めていく展開に、「ドキドキが止まらない」「素晴らしいっっ!」と大きな反響を呼んでいる。
作者・内野こめこさん「“ド美女…ド美女…”と念じながら描きました」
ーー『葵くんはムキムキ彼女を肯定したい』を創作したきっかけや理由があればお教えください。
強くて可愛くて懸命に生きてる女性を描きたいというのがまずありました。なので先に真珠ちゃんというキャラクターと境遇が出来上がって、あとから葵くんが出来たのですが、この2人の物語を描く上では葵くんを主人公にすべきだと考えてこういう形になりました。
ーー今作を描くうえで「こだわった点」や、「ここに注目してほしい!」というポイントがあればお教えください。
ストーリー的なこと以外で言えば、筋肉と服装です。葵くんの職業上、服は大事な要素なのでなるべく気を使って描いていきたいです。あと女装後の葵くんについては「ド美女…ド美女…」と念じながら描きました。作中の誰よりも綺麗に見えてれば嬉しいです。
ーー今回の作品のなかで、特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
婚活会場で葵くんが真珠ちゃんに考えをぶつけるところです。今後の葵くんの出発点となるシーンでもあるので。
ーー内野こめこさんが漫画を描く際に大切にしていることがあればお教えください。
キャラクターそれぞれの人生と生き方です。「この子はこういう道を歩んできたから今この時こう考える」という視点からは外れないでいたいです。
ーー内野こめこさんご自身や作品について、今後の展望・目標をお教えください。
本作はありがたいことに読者の皆様から好評をいただき、ガンガンONLINEでの連載が決まりました。2人の物語を最後まで描けるよう頑張りたいです。
ーー最後に、作品を楽しみにしている読者やファンの方へ、メッセージをお願いします。
XやガンガンONLINEアプリでたくさんコメントいただけて、メイン二人について「かわいい」「応援したくなる」など言っていただけて大変嬉しかったです。9月28日から連載始まりますので、二人の話の続きを読みに来てもらえると幸いです。