コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、チャロスさんが描く『怪物メドゥーサが"盲目の少年"に心を動かされていく話』をピックアップ。
チャロスさんが2024年5月8日にX(旧Twitter)で本作を投稿したところ、1.2万件を超える「いいね」と共に、多くの反響コメントが寄せられた。本記事では、チャロスさんにインタビューを行い、創作のきっかけや漫画を描く際のこだわりについて語ってもらった。
盲目の少年に母性を目覚めさせられる怪物・メドゥーサ
目が合うと化石化してしまうことで知られる怪物・メドゥーサ。この日もいつものように村人を「石人間」にして村を壊滅に追い込んでいた。すると目の前に石になっていない一人の少年が現れる。彼は目が見えないことを告白。メドゥーサが村人が全員石化したことを告げると、少年は自分をいじめてきた人々がもういないと知り涙を流した。
涙がとまらない、と少年がメドゥーサにしがみつくと、思わずその頭に手を伸ばしてしまうメドゥーサ。自らの身に母性が湧くという初めての体験を不思議に感じるのだった。そして立ち去ろうとする少年を引き留め、自分の城へと連れて帰った。
その後、城で少年と過ごすメドゥーサは、自身の中にこれまでになかった感情が芽生えていることを不思議に感じる。その感情を振り払うように少年を殺そうとするが…。
作品を読んだ読者からは、「なんて優しい…ええ話や」「泣いた」「何度も読み返してしまいます」など、反響の声が多く寄せられている。
作者・チャロスさん「自分にとっては挑戦作だった」
――『怪物メドゥーサが"盲目の少年"に心を動かされていく話』は、どのようにして生まれた作品ですか?きっかけや理由などをお教えください。
もともとメドゥーサを題材にした漫画を描きたいと思っていて、誰からも恐れられる存在が、もっとも心を揺さぶられる存在とは何かを考えた時に、目の見えない子どもなのではないかと思い、本作を描きました。
――今作は「母性」がテーマとのことですが、描くうえで特に心がけた点や大切にした点などがあれば教えください。
母性がテーマではあるのですが、そもそも人間ではない異形の存在なので実際に母親らしくなるのはすごく時間がかかると思っています。
なので、ちょっとずつお互いの距離が近づいていくように意識して描いています。
――今回の作品のなかで、特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
少年が自分のことを涙ながらにメドゥーサに話すシーンです。
実は本作を描く上で最も最初に作ったシーンで、一番力を込めて描いたと思います。
――「少年もメドューサも幸せになって欲しい」「うっかり泣いちゃった」など感情移入された方の反響が多かったようですが、このような反響をどう感じておられますか?
家族モノというのはこれまであまり描いたことがなかったので自分にとっては挑戦作だったのですが、色々な方がコメントや反応を寄せてくれてありがたかったです。続編を描けているのも応援してくれる方々のおかげです。
――チャロスさんはこれまでも妖怪をモチーフにした作品を多く描かれていますが、今後も新たな妖怪をモチーフにした作品は生まれそうでしょうか?
ぬりかべやユキワラシなど、構想中のネタは結構あるのですがなかなか発表できずにいます。
いつかちゃんと出そうと思っているので気長にお待ちいただけるとありがたいです。
――最後に、作品を楽しみにしている読者やファンの方へ、メッセージをお願いします。
いつも拙作を読んでいただきありがとうございます。
最近はモノづくりの難しさをすごく実感していて、挫けそうになったりもするんですけど漫画のコメントだったり何気ない呟きにも反応してくれたり、読者やフォロワー様にすごく助けられているなと実感しています。
皆様から与えられているモノを還元できるよう、そしてこれからも心を揺さぶるような作品を生み出せるよう、挑戦を続けて参りますので、ぜひこれからも応援いただけると嬉しいです。