成田凌と萩原利久が圧巻の2人芝居を披露
「親父の負の遺産を俺は受け継いでいる。…俺だけじゃない、蒼佑にまで」と花音に打ち明けた冴木。12歳の冴木が亡き母方の親戚に引き取られたことで父親の新たな標的となっていた異母弟の蒼佑だが、前回、実母へのDVを思わせる描写があった。
そんな“負の遺産”から灰川邸事件の真犯人の可能性があったが、蒼佑と再会した花音は「犯人ではないかもしれない」と感じたという。
花音に促されて蒼佑に会いに行った冴木は、蒼佑がDV加害者プログラムに参加していることを知る。そして冴木は蒼佑と対話を始める。
蒼佑の思いを真正面から受け止め、後悔の念を抱いて涙する冴木。「生きていればたいていのものは直せる」という冴木のかつての言葉を糧に必死でもがいていた蒼佑は、兄の罪を知り、「あんた」からいつしか「兄貴」へと呼び方が移り変わり、瞳に宿っていた憎しみの色が薄まっていた。
約7分30秒の2人芝居は圧巻のひと言だった。暴力を憎みながらも、それを受け継いでしまったことへの恐れ。同じ苦しみから同じようにもがいていたことの悲しみ。やるせなさと切なさが入り混じる兄弟の思いを、成田と萩原が丁寧に見せた。
さて、物語はこれで、冴木がなぜ現代で警察を辞めているかの道筋がついたようだ。だが、謎が残る灰川邸事件は、留置場にいた灰川の死で真相が闇に葬られる寸前。
灰川邸事件の真犯人と花音の突き落とし事件の犯人は同じではないかと考える冴木。花音の事件の日に蒼佑がDV加害者プログラムに参加していたことでアリバイが証明されたものの、そうすると蒼佑に命の危機が訪れるかもしれないため、捜査を続行してから自首すると五味に願い出た。
一つ真相が分かっても、解き明かすべき降り積もった謎から目が離せない。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
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