絶妙な二階堂家のキャスティング
出張から戻って翔の部屋を見た亘は激怒するも、翔のために決意している杏子は強く、翔が自分の力で次の中間テストで10位以内になれば部屋はそのままにしてほしいと願い出た。するとその通りに、翔が10位に。亘はとぼけて約束を反故にしようとしたが、杏子はスマホに会話を録音していて、亘は認めざるをえなかった。
モラハラ夫に見事に立ち向かった杏子。演じた比嘉の凛々しさがより印象を強くした。
一方、亘を演じる鈴木のモラハラぶりの表現も、見ていて嫌な気分になるほどすごい。視聴者からも「こういう役うまい」「鈴木浩介さんはこういう怪演が似合う」と称賛が寄せられている。ただ、亘は過去に受けた杏子の父親のオペにより、右手の指が思うように動かなくなったことが明かされた。脳神経外科医としては致命傷になるもの。それにより、「苦しむ人を救う」理想を息子に託しているようだ。今後どのように変化していくのかも楽しみだ。
翔に扮(ふん)している柴崎は、「テセウスの船」(2020年、TBS系)での怪演も記憶に新しい。父の厳し過ぎる教育に委縮し、でも母の強さで奮起する姿をこれからも丁寧に見せてくれるだろう。
家庭内でのマウントバトルが一段と激しい二階堂家からも目が離せない。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
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