吹替で重要なのは、俳優の話すトーンや間合いを掴むこと
――洋画の吹替とアニメのアフレコではどのような違いがありますか?
やはり演じている俳優がいるわけですから、吹替にしてもそれを無視したくはないですね。なるべく元々の俳優の特徴をキチっと捉えて日本語にしていくようにしたい。そんな気持ちでずっとやってきています。そう思ったのもこの作品があったからだと思っています。富田さんにしてもアークエンジェル役の家弓(家正)さんにしても、まるでその俳優さんがしゃべっているように自然なんです。「うまいなぁ。どうしたらそんなことができるんだろう?」って、当時、そんなことを思ったりしました。
――メル・ギブソン、ハリソン・フォード、チョウ・ユンファといった俳優の作品を多く吹替されていますが、特徴を捉えると演じやすくなるのでしょうか?
メル・ギブソンだったらこの声、ハリソン・フォードだったらこの声、というのはないんですが、リズムとか呼吸とか、何かそういうのがあるんです。いくつも作品を吹替していると、予測できるようになるという感覚はありました。セリフを喋るトーンとか、間合いとか、長くやってるうちにそういうのを掴めるようになったと思います。
――最後に、今回の放送を楽しみにされている方にメッセージをお願いします。
私にとって記念すべきシリーズもの第1号なので、思い入れは強いです。40年くらい前の作品ですが、ヘリコプターがメインのアクション作品というのは最近の作品も含めてあまりないと思うので、とにかく新鮮に感じてもらえると思います。頭を空っぽにして見てもらえれば、面白さも倍増するんじゃないでしょうか。ぜひご視聴ください。
◆取材・文=田中隆信
NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン