コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、人間まおさんが描く『人生で初めて救急車を呼んだ話』をピックアップ。
2024年8月9日にX(旧Twitter)で本作を投稿したところ、1.9万件を超える「いいね」と共に、多くの反響コメントが寄せられた。本記事では、人間まおさんにインタビューを行い、創作のきっかけや本作のエピソードについて詳しく語ってもらった。
スーパーの帰り道、具合の悪そうなおじさんを見かけた作者
作者の人間まおさんは、ある暑い日の買い物帰りに具合の悪そうなおじさんを見かけた。しかし、本当に体調が悪いか微妙なラインで、これまでに同じような場面で声を掛けてロクな目に合っていないという経験から、そのまま帰宅したまおさん。しかし、やはり心配になってしまい、冷蔵庫からペットボトルの水を持って再びおじさんのいる場所へ戻った。
「大丈夫ですか?」と声を掛けるとおじさんは「あぁ…大丈夫です」。返事はあったが、汗だくで表情からダメそうな様子が伺えた。すぐに水を渡して飲んでもらった後、住んでいる場所や家に誰かいるかなど少しの会話をしてから、おじさんはおもむろに立ち上がって帰ろうとしたが、足元がふらついていた。このまま帰すのは危険かもしれないと感じたまおさんは、お母さんに助けを求め、さらに救急車を要請。おじさんのために日陰を作り、枕の代わりになるものを頭の後ろにあてるなどしているうちに、救急隊がかけつけ事なきを得た。
最後、救急隊員がおじさんに質問した「今日、何日かわかります?」の質問に対して、助けていた側のまおさんまで「え…?今日って何日…?」と意識がボーっとなってしまっていたほど、この日は相当危険な暑さだったようだ。
本作の投稿には、「こう言うことができる人間になりたい」「立派な対応」など、まおさんの行動を称賛する声が多数寄せられ、熱中症の怖さを再認識した読者からの反応が集まった。
作者・人間まおさん「ちょっとした勇気が誰かを救うきっかけになるかもしれません」
――『人生で初めて救急車を呼んだ話』は人間まおさんの実体験を元に創作された作品ですが、この漫画で伝えたいメッセージをお教えいただけますでしょうか。
もしかしたら自分の体験が役に立つかもしれないと思い描きました。ちょっとした勇気が誰かを救うきっかけになるかもしれません。まだ日中は暑いので具合の悪そうな人がいたら少し気にしてもらえたらいいなと思います。
――作中にも描かれていますが、改めて熱中症だったおじいさんの様子をお聞かせください。
自分で立っているのがやっとという感じで、ぐったりしていました。意識があったのでよかったです。
――投稿へのコメントには、まおさんの行動を称賛する声が多くありました。実際、熱中症をはじめ、道端で困っている様子の人を見かけたときに声掛けするのを躊躇ってしまう人もいると思います。「本当は助けてあげたいけど、声掛けを躊躇ってしまう」という人へアドバイスがありましたらお教えください。
知らない人に声かけるのってすごく勇気がいりますよね。
ただ休んでるだけだったら、とか余計なお世話だったら、とか色々考えてしまうと思います。私は過去に声をかけたら怒鳴られたりお金をくれと言われたことがあり、今回少し躊躇してしまいました。
アドバイス…難しいですが「もしこうだったら」とか余計なことは考えないのがいいのかなと思います。悩めば悩むほど声かけるのに勇気がいるので、店員さんに注文するくらいの気持ちでサラッと声かけしにいくのが良いかと思います。
――作中、お母さまから「あんたってこういうのよく遭遇するよね」と言われるシーンがありますが、普段から困っている人に遭遇するなど手を差し伸べるような場面がよくあるのでしょうか?
割とよくあります。先日も日帰り温泉に行ったら湯船で倒れている人に遭遇してすっぽんぽんで車椅子に乗せたりしました。その前は電車から降りたらホームで倒れていて血を流している人に出くわしたり……もうそういう運命なんだと思います。
――最後に、読者やファンの方へメッセージをお願いします。
漫画を読んでくださりありがとうございます。この作品を読んで「私も漫画を読んだあと具合の悪い人がいて声をかけました!」「熱中症の人を見つけて救急車呼びました」との声が沢山あり、少しでも役に立ったのではとうれしかったです。こういう輪がどんどん広がっていってくれたいいな。