コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回紹介するのは、オリジナルの漫画をSNSに投稿している時田さんの『さとりvsADHDの漫画』だ。
同作は、「さとり」という妖怪とADHDの漫画家が出会う様子を描いた作品。時田さんが自身のX(旧Twitter)に投稿すると、共感する読者が多かったようで1.5万もの「いいね」が寄せられている。そこで作者の時田さんに、『さとりvsADHDの漫画』を描いたきっかけやこだわった部分について話を伺った。
恐ろしい妖怪かと思いきや…最高のパートナーだった?
とある漫画家はガイドの男性と2人で山を登っていた。ガイドいわく、この山は、相手の考えていることを読み解いて、その後にとって喰ってしまう妖怪「さとり」が出るという。その話をしている最中、噂のさとりが目の前に出現する。
早速さとりは漫画家の頭の中を読もうとすると、“強めのADHD”によって大量の言葉たちが流れてきて、さとりは「頭の中 散らかりすぎだろ」「どれが一番大事に思ってる事なんだ」と困惑してしまう。かと思えば、妖怪を無視して現れたリスに視線を向け、リスについて考えたり、ガイドを担いで山を降りようとしたり、唐突にさとりに石を投げつけたりなど、目まぐるしく思考が変化していく。
さとりは思考を読んでいくうちに、彼女が漫画家であることを知り、物語の組み立て方がまるでなっていないことにも気づく。そして妖怪のさとりに、アイデアのまとめ方についてアドバイスを送られるのだった…。
作中に登場した漫画家の目まぐるしく変化する思考に対し、読者からは「正直、共感できる部分が多かった」「確かに、さとりみたいな人がいたら助かるかも」などの声が上がっていた。
「さとり」は重宝する妖怪だけど、人食いなので関わりたくない…
――『さとりvsADHDの漫画』を創作したきっかけや理由があればお教えください。
最初はADHDエッセイ的なものを描いていたはずなんですが、気づいたら予定と全然違う原稿が仕上がっていました。
――描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあれば教えてください。
主人公漫画家の思考の濁流とそれに大真面目に付き合って流されちゃうさとりですかね。なんかでかい妖怪なので、多分暴力で圧勝できるんですが、安い情報の渦で目が回って、「人は殴れば死ぬ」という大切なことを忘れさせられてる…。
――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共に教えてください。
思考が行動より遅延してるシーンと最悪なオチです。ADHD関係各位から「わかる」とおっしゃっていただけました。
――個人的に「さとり」の存在は重宝しそうな人材だと思ったのですが、時田さんとしても、実際にさとりのような人がいれば、頼りにしたいと思うでしょうか。
さとりの能力は本当に重宝しそうだし、性格的にも何だかんだで面倒ごとの解決に付き合ってくれるとてもいいやつだと思います。でも、人を食う化け物なので一切関わりたくないです。
――今後の展望や目標をお教えください。
最近いい意味で創作スタイルへのこだわりがなくなってきたので、いろいろ節操なく描いていきたいと思っております。全然違う行動とってしまったらすみません。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!
いつも本当にありがとう。そして、いつもコミティア遅刻してすみません。あと最近描いた『神と使い捨てカイロ』という漫画がわりと読める内容になったんじゃないかと思いますので、よければ読んでいただけるとうれしいです。