コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、さてよさんが描く『死にたい女子大生が60歳の親友と大学生活を楽しんで死ぬ話』をピックアップ。
さてよさんが2024年8月21日にX(旧Twitter)で本作の2話を投稿したところ、4,000件を超える「いいね」と共に、多くの反響コメントが寄せられた。本記事では、さてよさんにインタビューを行い、創作のきっかけや漫画を描く際のこだわりについて語ってもらった。
超ネガティブ女子と超ポジティブおばあちゃんの友情
大学生の藤野 光は、「死にたい」が口癖の18歳。大学には光と正反対に鬼ポジティブな親友・奥村 月子、60歳がいる。月子は8年前に娘を亡くしており、娘が亡くなる前に残した『やりたい事リスト』を光とともに挑戦していた。このリストをやり切ったら死のう、と考えている光だったが、月子と様々なことを一緒にするうち、ほっこりと感じることも増えていた。
ある日、光は38.5度の熱を出してしまう。月子に大学を休むためノートをお願いすると、「免疫ががんばってるわね」と返信が来る。月子は同級生達に一人なら一緒にランチに行かないかと誘われたが、午後の講義までに用事があると言って断ってしまう。
光が風邪をひいてしまったのは、娘の『やりたい事リスト』にあった、雨の日に縄跳びを振り回して傘代わりにしたことが原因かも、と申し訳ない気持ちの月子。そして午後の講義までに、光の家に差し入れを持って行くのだった。熱で弱っていた光は、月子からの連絡を見て急いで玄関を開ける。風邪声でお礼を言うと、そんなひどい声に対しても「素敵なデスボイス~」と言う超ポジティブな月子なのだった。
回復して大学に来た光は、月子にノートのお礼にランチを奢ると言うが、快気祝いに15人前の巨大パフェを食べに行くことに。同級生3人も参戦し、5人で巨大パフェを食べることとなった光は、同級生の前で居心地が悪そうにしていた。しかし、巨大パフェを前に自然と彼女達に溶け込む光。それを見た月子は、娘が巨大パフェを食べたかったのは、食べることというよりも、友人と盛り上がりたかったのかも、と思うのだった。
作品を読んだ読者からは、「お二人の関係好き」「ネガティブもパワーに変えて生きてて偉すぎる」など、反響の声が多く寄せられている。
作者・さてよさん「何気ない日常を描くようにしています。」
――『死にたい女子大生が60歳の親友と大学生活を楽しんで死ぬ話』は、どのようにして生まれた作品ですか?きっかけや理由などをお教えください。
私自身がネガティブに考えがちなので、私のネガティブをポジティブに変換してくれる人が身近にいたらいいなと思ったことがきっかけです。
――今作を描くうえで、特に心がけているところ、大切にしていることなどをお教えください。
読んでくださった方、どこかで見聞きした事があるような、何気ない日常を描くようにしています。
この漫画の二人が、読んだ方の日常に存在しているような感覚になってもらえたら嬉しいです。
――今回の作品のなかで、特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
冒頭で光がネガティブな発言をすると、月子がポジティブに返すシーンです。
読んだ方にも、「この場合、自分ならどうポジティブに返すかな?」と考えてもらえたら楽しいかなと思います。
私自身がネガティブな思考をしがちなので、ポジティブな発言をナチュラルにされる方に憧れます。
――読者からは「ポジティブなおばあちゃんかわいすぎる」「素敵キャラ」などのコメントも多く見られましたが、さてよさんは普段漫画を描く際、キャラクターやストーリーなど、どういったところから着想を得られるのでしょうか?
面白いな、楽しいなと思う事があるとメモをするようにしています。そのメモの中から考えることがよくあります。
また、頭の中でたくさん妄想していた小学生の頃の私が心の中にまだいると思って描く場合もあります。
――さてよさんご自身や作品について、今後の展望・目標をお教えください。
本屋さんで自分の本が並んでいるところを見るのが夢です。
たくさんの人に私の作品を読んでもらえるよう、漫画を描き続けていきたいです。
――最後に、作品を楽しみにしている読者やファンの方へ、メッセージをお願いします。
読んでいただきありがとうございます。
少しでも癒しを感じていただけり、クスッと笑ってもらえたら嬉しいです。
これからもどうぞよろしくお願いします。