目標はゴールデンタイムでの主演
――これまでの俳優人生の中で、ターニングポイントとなった作品や出来事はありますか?
2023年に初めてBL作品に挑戦させていただきました。「佐原先生と土岐くん」(MBS)というドラマだったのですが、監督さんもキャストも若い世代が多いチームだったこともあって、とても楽しく作品作りができたと感じる現場だったんです。
――具体的には、どういうところでしょうか?
全員がBL作品に触れたことがなかったというのもあって、「このシーンはこうしたらきれいに映るのではないか」など、キャスト、監督、スタッフ全員で話し合いをしながら作っていったことですね。これまで現場では、監督さんに指示をいただいて、そのリクエストに応えるというやり方が多かったのですが、「佐原先生と土岐くん」 ではどう表現したらいいのかを自ら考えることができたので、とても新鮮でした。
――役作りをする上で新しい挑戦ができたんですね。
あと、撮影現場が長野県の山奥だったのですが、キャスト全員で同じ宿に泊まっていたので、ずっと寝食を共にしていて。夜な夜な台本の読み合わせをしたり、ときには一緒にお酒を飲んだりと、部活の遠征をしているような感覚でとても楽しかったんです。この作品をきっかけにいろいろなBL作品にも呼んでいただけるようになりましたし、俳優としても幅を広げてくれた作品だったと感じています。
――これまで共演した方の中で、特に影響を受けた俳優さんはいますか?
5月にSENTRAL PRODUCE「逆転満塁サヨナラ、またね。」という舞台で主演をやらせていただいたのですが、そこで共演した山本裕典さんです。そもそも、山本さんは僕が学生の頃に見ていたさまざまなドラマに出ていた方。当時からとてもお芝居が上手な方と思っていましたが、実際に稽古場で一緒にやらせてもらっているときに、レベルがまったく違うんだと感じました。
――現場では、山本さんとお芝居について話すことも?
たくさんお話させていただきましたね。お芝居についての相談もしたのですが、とても親身に話を聞いてくださって。自分の中で芝居とは何なのかという答えが見えてくるようなアドバイスもいただけて、本当に感謝しています。普段は少しお茶目な印象の方ですけど、お芝居に入った瞬間に、誰よりも真剣に自信を持ってやられているので、そのギャップが格好いい。僕も山本さんぐらいの年齢になったときに、後輩からそう思われる俳優でいられるようになりたいと強く思いました。
――最後に、俳優としての目標についても教えてください。
地上波の連ドラで主演をやりたいです。最近はネット配信のドラマも主流にはなってきていますが、やっぱり学生の頃にテレビドラマを見て芸能界に憧れを抱いたので、ゴールデンタイムでの主演を目指していきたいです。
◆取材・文=榎本麻紀恵