1998年に放送された中山美穂&木村拓哉主演ドラマ「眠れる森」(フジテレビ系)が、FOD・TVerで開催中の「#ドラ活 浸れ、超自分的ドラマ生活。」で順次無料公開スタートしたことをきっかけに今、再注目を集めている。
「大好きだった作品!もう一度見られてうれしい」という放送当時からのファンの声に加え、「見てみたかった作品!」「26年前なのに今見ても新鮮」と驚く声も。木村演じる伊藤直季の謎めいたキャラクターが衝撃を与える序盤を振り返る。(以下、ネタバレがあります)
実那子、15年目の“眠れる森”へ
3カ月後に結婚を控えた大庭実那子(中山)が荷物の中から15年前の“ラブレター”を見つけたことをきっかけに、謎めいた事件に巻き込まれていく様を描いた「眠れる森」。心に深い傷を負った“アダルトチルドレン”や、記憶と脳のメカニズムをテーマにしたミステリーである。主演の中山と木村は今作が初共演、脚本は故・野沢尚さんが手掛けた。
第1話では、エリート商社マン・濱崎輝一郎(仲村トオル)との結婚を控えた実那子が直季と初めて対面するまでが描かれている。新居への引っ越しをしている最中に荷物の中から出てきたのは、実那子がまだ少女だった15年前に受け取った、差出人不明のラブレター。「15年目の今日、眠れる森で会いましょう」と書かれたその手紙を読んで、“15年目の今日”が数日後だと気づいた実那子は、呼び寄せられるように故郷へ向かう。
「あんたは、俺の一部だから」
久しぶりに訪れた森で実那子を待ち受けていたのが、直季だった。直季は実那子のことを恐ろしいほどなんでも知っていて、嬉々として「名前も仕事も友人も恋人も全部捨てて、新しい自分になりたいと思ったことない?今ここで生まれるんだよ」とまくし立て、「これから先、残酷なことが待ち受けてるんだよ!」と不気味なことも口にする。しまいには「あんたは、俺の一部だから」とつぶやいた――。
「ロングバケーション」(1996年)や「ラブジェネレーション」(1997年)、「ビューティフルライフ」(2000年)、「HERO」(2001年)…と人気絶頂期の木村が「眠れる森」で演じたのは、正体不明の青年・直季。実那子との関係も、実那子に付きまとう意図も不明のまま、彼女のことをこと細かに把握しているという事実だけが描かれていく序盤は、なんとも不気味だ。
続く2話では、実那子の結婚を壊すために婚約者・輝一郎について詳しく調べ始める。さらに、実那子のおぞましい過去も明かされる。