「本陣殺人事件」「金田一耕助の冒険」「悪霊島」の3作品を一挙放送、三者三様の金田一耕助が難事件に挑む
BS松竹東急(全国無料放送・BS260ch)では、「2週連続 ミステリー・シネマ・コレクション」と題して、金田一耕助シリーズの3作品「本陣殺人事件」「金田一耕助の冒険」「悪霊島」を10月14日(月・祝)~10月16日(水)に一挙放送する。本記事では、日本の探偵小説史に金字塔を打ちたてた不朽の名作シリーズの、あらすじや見どころについて紹介していく。
身分違いの夫婦殺害事件の真相に迫る「本陣殺人事件」
10月14日(月・祝)夜8時からは、中尾彬さん演じる金田一耕助が地方の旧家で起きた凄惨な密室殺人の謎に挑む映画「本陣殺人事件」(1975年公開)を放送。備前路の本陣を務めた旧家で、長男の婚礼の晩に起きた惨殺な殺人事件が描かれる。
三方を山に囲まれた小集落で、江戸時代からの宿場の本陣であった旧家の一柳家。40歳まで独身だった長男の賢蔵(田村高廣さん)は、高校教師をしていた久保克子(水原ゆう紀)という女性と結婚することを決める。しかし克子の父親がかつて一柳家の小作人だったことなど、一柳家からすると“身分違い”の相手だった。周囲の反対を押し切った2人だが、婚礼の日に日本刀で斬られ殺害されてしまう。しかし離れには錠がかかっており、庭には足跡一つ見当たらなかった。そこで克子の叔父・銀造(加賀邦男さん)は私立探偵の金田一耕助(中尾彬さん)に依頼をし、事件の糸口を紐解いていく――。
本作は、古くからの知り合いの男に呼ばれてやって来た金田一が、事件の1年後に再度現場を訪れ、当時を回想するシーンから物語はスタートする。金田一役を演じた中尾彬さんは、映画版の金田一耕助シリーズの第6代目。初代の片岡千恵蔵さんや河津清三郎さん、前任の高倉健さんなどが演じたこれまでの金田一耕助とは少々異なり、ジーンズ姿の現代的な雰囲気を纏う金田一を熱演。色気を感じさせるスマートな身のこなしが印象的となっている。
当時の映画やCMのパロディが満載「金田一耕助の冒険」
10月15日(火)夜8時からは、必殺ギャグとパロディ満載の映画「金田一耕助の冒険」(1979年公開)を放送。古谷一行さん演じる金田一と、田中邦衛さん演じる等々力警部コンビが大暴れする大林宣彦監督作品だ。
街中では「ポパイ」という美術品専門の盗族団が出没しており、女首領のマリア(熊谷美由紀)は、10年前に金田一(古谷一行さん)が真犯人を突き止められなかったある事件のカギを握る石膏像「不二子の首」を持って金田一のもとにやって来る。しかしその像が何者かに盗まれてしまい、古美術店の店主・明智小十郎(東千代之介さん)のもとへ渡っていたことが判明した。明智邸を訪れた金田一は、そこで出会った明智の妻・文江(吉田日出子)が不二子像のモデルだということを知る。やがて金田一は、文江がある老人ホームに足しげく見舞いに行っていることに気付き――。
本作の見どころとしては、全編にわたって公開当時ヒットしていた映画やCMなどのパロディが盛り込まれている異色の作品である点。ストーリーはもちろん、当時の流行を懐かしく感じ、パロディ部分を探すのも楽しみの一つとなっている。また、金田一を演じた歴代10代目の古谷さんは、以前テレビドラマで金田一を演じたこともあり、世間からも“金田一”のイメージが強い人物として知られている。パロディ豊富なコメディーでありつつも、推理を披露し犯人を追い詰めるシーンは迫力満点で、男らしい金田一像を見せていく。