突然、都会から元上司が民宿へ
第3話は、会社に呼び戻された海都が、民宿“ダイヤモンド・ヘッド”を後にする。「せっかくいいコンビだったのに」と真琴(広末涼子)はほろ苦い想いを抱く。数日後、勝(マイク眞木)の用事で東京に行く事になった広海の車に、真琴はちゃっかりと便乗し、「海都さんに忘れ物届けに行くから」と強引に広海に言い放つ。
忘れ物とは、海への思いを込めた一遍の詩だった。海都のオフィスで詩を読み上げる真琴に、海都はあわてふためく。その夜、広海と真琴は海都のマンションに泊まる。一方、密かに広海は勝から“真琴と母を会わせる”という大事な要件を頼まれていた。
続く第4話で、広海と海都が民宿“ダイヤモンド・ヘッド”に戻ってくる。活気づく民宿に、東京から家族客を迎えることになったが、海都はその客の顔を見て驚く。それは、海都の元上司・大崎(平泉成)だったのだ。大崎は部下の海都が、約束された将来をみすみす棒に振るようなそれほど魅力ある所とはどんな所かと、その目で見定めに来たのだと話す。
釣りやバーベキューをして、大崎は子どもたちの明るい笑顔を見るうちに、だんだんその地の良さを理解し、かつて自分が追いかけた夢が、この場所にあることに気づくのだった。
海辺で聞く元上司からの「好きにやれよ」に涙
都会で忙殺された海都が逃げてきた場所。そんなイメージで来たであろう上司・大崎の「いいとこじゃないか」という言葉は、初めはトゲがあるように感じる。しかし、海や自然に囲まれて休息を得たあとの「好きにやれよ、それでうんと後悔しろ」、「ありがとう楽しかったよ」という言葉は、生活を簡単に捨てられない大人が放つ嫉妬にも似た本音であることが伝わった。
上司の言葉は海都の胸にも響いたようで、涙をつーっと流していた。自分の人生は、自分でしか選択ができない。他人が何を言おうとも止められないものであるし、だからこそ慎重で臆病にもなってしまう。真面目で羽目を外すことのない男、海都の生き方が“ダイヤモンド・ヘッド”に来てどう変わっていくのか、今後の展開が楽しみである。
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