コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョンマンガ部」。今回は、作者のチータラ冊子さんが実話をもとに描いた漫画『実話「厳しい先生に涙した日」』をピックアップ。チータラ冊子さんが、2024年8月19日に本作をX(旧Twitter)に投稿したところ、8000件を超える「いいね」や反響が多数寄せられた。本記事ではチータラ冊子さんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。
漫画制作に悩んでいたチータラ冊子さんの実話
同作はチータラ冊子さんの実体験で、2024年6月くらいに起きたことだという。「課題の漫画製作が進まねぇ…」「描きたいものばっかで手付かず状態だ」と放心状態のチータラ冊子さんは、専門大学の先生に相談してみることにした。しかしその先生は漫画に厳しく、チータラ冊子さんが持ち込んだ作品を見て「“起”が多すぎ」「五ページでまとめて」とバッサリ…。
先生は実力のある漫画家だそうで、「描きたい要素全部入れてるよね」「それ複雑になる原因だから」と的確ながら容赦ない指摘が次々に飛び出した。どの生徒にも平等で毒舌&本音をぶつけるスタイルの先生から、チータラ冊子さんに無数の指摘が浴びせられていく。
しかしチータラ冊子さんも曲げたくない箇所はあり、先生との激論は1時間半に及んだ。できあがった構想はとても洗練されたものだったが、当然チータラ冊子さんはへとへとに。しかし副担任と「言ってくれるだけありがたい」という話になったとき、チータラ冊子さんの脳裏にある時代の記憶が駆け巡る…。
この漫画を最後まで読んだ人たちからは、「ええ話や…」「良い先生を持ちましたね」「正しいアドバイスにも実力が必要」「ちゃんと読んでくれる人ってありがたいんだな」など反響の声が多数寄せられている。
あの時のことを残しておきたい…というチータラ冊子さんの思い
――『実話「厳しい先生に涙した日」』を創作したきっかけや理由があればお教えください。
先生や副担任の言葉がとても感慨深くて、この時に自分が泣いてしまった理由がはっきりと感じたため、このことを記録に残したいなと思い漫画にしました。
――「課題のマンガ製作が進まねぇ…」というチータラ冊子さんの表情が非常に印象的でした。本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあればお教えください。
全体をとにかくインパクトをだすことにこだわっています。思い出だけの振り返りだと印象に欠けるので、絵においては、顔芸や、コメディ要素を加えることを考え、内容おいては、ギャグテイストで始め、中盤以降は先生との打ち合わせをした1時間半と、半年前の持ち込みをした日のあの1時間半との時間の流れや対比を加えて、いい話で終わるという展開にもこだわりました。これでも会話や心情はほぼ全てノンフィクションです。
――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
「だからこそ、あの時間が、蘇る」のシーンがお気に入りです。回想シーンの移動を時計で表現した所も、2コマ目の構図も、どちらもインパクトに残るような表現を出せたのでお気に入りです。
――普段作品のストーリーはどのようなところから着想を得ているのでしょうか?
勢いや思いつきもあれば、温めてた案や、今回のように思い出から取り出して描いています。思い出や知見を増やすためにも、できる限り外出やイベントへの参加など、なにかとアクションを起こすように意識しています。
――作画の際にこだわっていることや、特に意識していることはありますか?
絵のタッチの方は自分の趣味を押し売りをするように描いています。自分の中での棒人間を描く際は、躍動感や立体感のある画角を意識して、彼らがキャラクターとして生き生きとした絵になるようにして描いています。
漫画の方はコマの数を抑えたり、吹き出しの位置や、文章の量の調節したりと見やすさを一番に考えています。また単純な絵にならないようにあまり書きなれない構図や画角をとりいれて、プロのような華のある漫画に近づけるように意識して描いています。
――今後の展望や目標をお教えください。
漫画賞を受賞して、商業としてのマンガの連載を目指したいです。叶うなら人間と棒人間がでてくる漫画を連載して、人々の間で棒人間というジャンルがもっと広がればいいなと思っています。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!
いつも自分の作品を見てくださる皆さんには感謝しかありません。まだまだ画力は乏しく実力のない自分ですが、今後も駆け出しのマンガ家志望として夢を目指して頑張っていくので、気長に自分の活動を見守っていてください!