神保の仮眠時間は…
30分の仮眠から目覚めた神保は、彼に相談に来たが仮眠時間の為に待たせていた患者を呼べと、チームの医師たちに告げた。すると、その患者はもう帰ったと言う。そして、この日退院の患者に挨拶(あいさつ)に行こうとすると、昨日退院したと告げられた。「さっきまで部屋にいたじゃないか」と言う神保に戸惑いの表情を浮かべる医師たち。おかしな空気に気付いた神保が「今日は何曜日だ?」と尋ねると、何と丸1日が経っていた。
神保は信じられない状況に「何で起こさなかった!私がいないと、この病院は回らないんだぞ!」と激高するが、静はそんな彼に「ご安心ください。きちんと回っておりました」と穏やかな笑顔と口調で告げるのだった。神保が“行方不明”になっている間、小山を中心にチームの医師たちは力を合わせて急患にも対応し、問題無く1日を終えていた。
優秀な医師の神保も「バカドクター」…!?
普段、睡眠時間は毎日平均2時間、栄養補給と30分ほどの仮眠で過ごしている神保は、この3日ほど論文の完成に追われて寝ていなかった。そのせいで集中力を欠いていて、先日の手術の際、患部にガーゼを置き忘れている事に気付かず施術を終えるという初歩的なミスを犯していた。
小山たちがそれを取り除き大事には至らなかったが、こんな状態で他の手術などさせるわけにはいかない、と静は判断。彼は、神保が仮眠の際に使っている点滴用の栄養パックをコッソリ睡眠薬入りの物にすり替えていたのだ。手に取った物を確かめもせずにそのまま使用するとは、やはり注意力も散漫になっていたのかもしれない。
「手術をさせるわけにはいかなかった」と告げた静に「私を誰だと思ってるんだ!」と声を荒げる神保。そんな彼に歩は「この病院で間違いなく一番優秀な外科医です。でも1人で何でも出来るわけじゃない」と言い、「他の外科医から仕事を奪ったら人が育ちません」と、神保のワンオペ状態に苦言を呈した。
静は、神保の事を「患者ファーストの高い技術を持つ医者」と称賛しながらも、「自分の体の限界も知らずに患者の命を危険にさらすのは“バカドクター”」と叱責。そして、言い返そうとした神保に、今日は顔色が良い、と笑顔で伝えた。静は、「医師の健康管理までナースの仕事なのか?」と尋ねた歩に「患者さんの為になる事は、全てナースの仕事です」と答えるのだった。
考えを改めた神保。だが…
以来、神保はチームの医師たちに任せられるところは任せて、定時退勤をするようになった。が、その矢先、薬師丸は「神保先生ほどの優秀な方が“働き方改革”に囚われているのはもったいない」と、彼を人手不足の病院に飛ばしてしまった。
薬師丸は悪人ではなくクリーンな人物だ。自分の理想に沿って改革を進めているが、自分とは志が違う者や自分のやり方の障害になりそうな者は、即切り捨ててしまう。まず、前院長・太田黒の息がかかった医師と看護師を全てクビにして、その太田黒の手術を薬師丸に内緒で行った医師・神山(風間俊介)の退職も引き止めなかった。そして今回は、残業をやめず、チーム主治医制にも従わなかった神保を追いやってしまった。
薬師丸は「この病院を患者さんの救いの場とする為に、みんなで力を合わせて改革しましょう」と言っているが、優秀な医者でも自分が気に入らなければ排除する事は、患者の為になっているとは言い難い。そんな薬師丸のやり方を、静は疑問に思っているようだ。薬師丸も、神山に太田黒の手術をけしかけたりして、“和を乱す”静に警戒心を抱いている様子。この2人の対立は、今後さらに激化しそうだ。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
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発売日: 2024/03/27