役所広司、内野聖陽が美しさを引き立てた“八犬士”トークを展開
美しき八犬士を演じた渡邊、鈴木、板垣、水上。渡邊が「本当に役所さんと内野さんのお2人に美しく引き立てていただいて…」と冗談めかすと、内野は「そう、すべては圭ちゃんのために!」と大笑い。
渡邊は「事前に曽利監督から『八犬伝』に対する熱い思いを伝えていただき、『八犬伝』が幅広く愛されている理由を知れた気がして、演じていて楽しかった。監督をはじめ、皆さんのいろいろな思いがこもった作品に携われて光栄でした」とうれしそうに話す。
鈴木は、親交のある渡邊との共演に「圭祐君には普段からお世話になっているのでやりやすかった。準備段階からフラットに役に入れました」と手応えを口に。
舞のシーンのある板垣は「美しさが大事な部分だったので、役所さんと内野さんに助けていただいて」とユーモアを交えて感謝すると、内野は「めちゃくちゃ美しいよね!」と太鼓判。さらに、板垣は自宅での神楽鈴の練習について「隣りの人に、変な儀式をしていると思われていないか心配だった。鈴の音って結構響くので」と明かして笑いを誘う。
「八犬士は美しい」トークの流れで、水上は「水上恒司になって初めての作品が『八犬伝』でした」と思い入れの強さを明かし、「実は、八犬士の8分の3は汚い枠。その汚い枠の1つを僕が担っているという自負がある」と言い、「僕らのおかげで、残りの八犬士が輝いているということも伝えておきたいです」と熱弁。
すると、渡邊から「水上さんは八犬士に対する熱い思いがあり過ぎて、おでこに…」との指摘が。確かに水上の額にはアザのようなものがあり、別作品のアクションでできたものだそうだが、これに水上は「八犬士にはアザがありますが、僕も『八犬伝』撮影の2年越しに浮かび上がってきた。公開2日目に出てくるとは…おめでたいと思ってください」と八犬士仕様だとアピールする。
そして、美しきヴィラン・玉梓を演じた栗山は「八犬士たちが格好良いアクションを披露する中で、玉梓として強そうに見えなければいけない。ラスボスとして負けないような迫力を、特殊メークの力を借りて格好良くしていただいた」と役作りを振り返った。
内野聖陽「馬琴さんのファン1号のような気分で演じていました」
あらためて役所は、演じた馬琴について「わがままな人だったはず。これだけの大作を書き上げることができたのは、葛飾北斎と家族の支えがあってのもの」と分析。
内野は、葛飾北斎の演じ方について「北斎とはどんな人物だったのか、伝記を読んだり、資料館に行ったりしました。演じる上では自由人の極致を見せながら、風通しのいい人間にすることばかりを考えました。そして、馬琴さんの最初のファン1号のような気分で演じていました」と話す。
最後に、役所は「監督の元に集まった素晴らしいキャストとスタッフで一生懸命に作った作品です。たくさんの人に見てもらいたいし、ご家族で見られる映画です。何度見ても新しい発見のある映画だと思うので、『八犬伝』をこれからもよろしくお願いいたします!」と呼び掛けた。
イベントの後半には、本作の宣伝アンバサダーで、SNSでも人気のマスコット“八房くん”の超巨大熊手も登場。さらなる大ヒットを祈願し、登壇者全員で「八犬伝」にならい“八回の一本締め”が行われ、舞台あいさつを締めくくった。
映画「八犬伝」あらすじ
江戸時代の人気作家・滝沢馬琴は、友人の絵師・葛飾北斎に、構想中の物語「八犬伝」を語り始める。 「八犬伝」とは、里見家にかけられた呪いを解くため、八つの珠を持つ八人の剣士が、運命に導かれるよう集結し、壮絶な戦いに挑むという壮大にして奇怪な物語だ。 北斎も魅了した物語は人気を集め、異例の長期連載へと突入していくが、クライマックスに差しかかった時、馬琴は失明してしまう。完成が絶望的な中、義理の娘から「手伝わせてほしい」と申し出を受ける。