花火大会を前に真琴が浴衣を「いらない」と強がる
続く第6話は「それは花火で始まった」。一年に一度、みんなが待ちわびた花火大会の日が近づいてきた。広海と海都は、ここに来て初めて迎える大イベントだ。海都は、東京から桜(秋本祐希)と、その友達を呼ぶが、結局来たのは友人たちだけ。桜は、楽しい時を過ごしても一緒に帰れない淋しさを思うと、どうしても来ることができなかったのだという。自分ひとりで決めて、ここに来たことが桜を不安にさせていたと気付く海都。
一方、春子は、今年も民宿の手伝いで、友達と花火大会に行けない真琴のことを思っていた。「女の子なら、浴衣着て、彼氏と一緒に行きたいよね」という裕子(佐藤仁美)の言葉を聞いてハッとしたのだ。真琴は「いらない」と言ったけど、彼女のために自分の浴衣を仕立て直し始める春子。そして、いよいよ待ちに待った花火大会当日がやって来る。
「ビーチボーイズ」を見たことがある人は、主題歌や画面の印象から“真夏のイケメン祭り!”といった明るいドラマだったような記憶がないだろうか。ところが第5・6話共に、数年経って見てみると実に切ないストーリーだ。挫折のあとに現れるライバルや、母と離れて暮らす娘の浴衣にまつわる気持ちなど、海に集まった人たちの紆余曲折あった人生を丁寧に描いている。山本太郎が海パン姿でひねくれた水泳選手を演じているのも、結果として“人に歴史あり”といった印象に。平凡な人生なんてひとつもないということが描かれているドラマである。
フジテレビジョン