女優の石原さとみが12月16日、都内で行われた「第49回報知映画賞」表彰式に出席。主演女優賞を受賞し、喜びを語った。
石原さとみ、主演女優賞受賞
石原は映画「ミッシング」の演技を評価され主演女優賞を受賞。同作は、“人間描写の鬼”といわれる吉田恵輔監督のオリジナル脚本で、限りなく哀しく、愛しく、優しい“魂の行方”を描く物語。石原は、愛する幼い娘がある日失踪してしまい、懸命に捜すが、夫婦間の温度差やマスコミの報道、SNSでの誹謗(ひぼう)中傷によりいつしか心を失くしてしまう母親・沙織里を演じた。
表彰式には、吉田監督と作品で夫役を演じた青木崇高が花束を持ってサプライズ登場。石原は大きな笑顔を見せ、花束を受け取った。
石原は「私は15歳で映画デビューをして、16歳で人生初めて賞を頂いたのが、報知映画賞の新人賞です」と振り返り「そのときの授賞式の様子を今も鮮明に覚えているのは、両親が泣きながら授賞式に参加してくれたからです」と回顧。「あれから21年がたち、芸能人生で初めて映画で主演女優賞を頂きました。本っ当にうれしいです」と喜びを表現した。
石原さとみ、声を震わせ「親孝行ができました」
自身にとって「ミッシング」はとても特別だと言い、「初めての妊娠・出産を経て、産後復帰作で娘を失った母親という役を演じました。精神が壊れるギリギリだったのですが、乗り越えられたのは夢だった吉田監督の現場に今自分はいるんだと思えたからです」と告白。7年前に吉田監督に「あなたと仕事がしたい」と直談判したと明かし「今、夢がかなってるんだって思えたから乗り越えられました。芝居ってこうやってやるんだ、人を生きるってこういうことなんだ、と大発見がたくさんありました」と思いを語った。
石原は「役者という肩書には今も全く自信がありませんが、こうして賞を受賞できたこと、何よりも吉田組を経験できたことを誇りに、“役者さん”になれるように、これから挑戦してきたいと思います」と言葉に力を込めた。
さらに石原は「本日は21年ぶりに両親が病気を乗り越えて参加してくれています」と打ち明け「本当に親孝行ができました。ありがとうございます。これから、両親をはじめ、家族にも喜んでもらえるように、そして応援してくださるみなさんに喜んでもらえるようにがんばっていきたいと思います」と声を震わせながら誓った。
ほか、作品賞・邦画部門を「正体」、作品賞・海外部門を「シビル・ウォー アメリカ最後の日」、アニメ賞を「ルックバック」、主演男優賞を横浜流星、助演男優賞を奥田瑛二、助演女優賞を吉岡里帆、監督賞を塚原あゆ子、新人賞を越山敬達、中西希亜良、特別賞を草笛光子、平泉成がそれぞれ受賞した。
◆取材・文=山田果奈映