コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョンマンガ部」。今回は、東洋経済オンラインにて連載中の『真面目なマジメな真締くん』(コルク刊)の1エピソード、『職場の「働かないおじさん」が隠していた凄い武器』を紹介する。作者のまるいがんもさんが、11月30日にX(旧Twitter)に本作を投稿したところ、3000件を超える「いいね」やコメントが多数寄せられた。本記事では、まるいがんもさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。
パソコンが上手く使えなくて笑われる社員の過去は…
「そこはブイルックアップを使いましょう…」オフィスでパソコンを操作している2人の男性、真締真一と乙原保。パソコンの操作を真締が乙原に教えている最中で、乙原は操作がわからないようでブイルックアップについても「必殺技?」と質問していた。
そんな2人を後ろから眺めながら、「また真締がおっちゃんに捕まってるぜ」「ああ、おっちゃんこと乙原さんか。あの人なんでクビになんないんだろうな」と笑う社員2人。そのうちの1人、上田聡、「ろくに仕事してないんだから足引っ張んなよな。老害って感じじゃん」と冷たい言葉を言っていた。
上田たちを見ていた柔木美和は「あんたらっ」と叱りつける。若い頃は“バリバリの鬼営業マン”だったという乙原が変わってしまったことを知っている柔木は、今の乙原に思う所はありながらも彼への上田たちの態度が許せなかった。
そんな時、「柔木くん、いいんだよ」と苦笑を浮かべた乙原が声をかけてきて、今の自分の気持ちを語り始め…。
このビジネスマンを描いた漫画を読んだ人たちからは、「世の中能力より人脈が物を言う」「長年頑張ってきた力」「ホットラインの大切さ」「おじさんは若いころに死ぬ気で働いていた」など、多くのコメントが寄せられている。
実体験が元になるエピソードの数々をコメディで描き出す
――本シリーズは、仕事はできるのに突拍子もない失敗をする若手社員にヒヤヒヤさせられるストーリーでした。発想の源になったできごとなどがあるのでしょうか?
このシリーズは大元のネタはほぼ僕が会社員生活で体験したことが元になっています。会社員生活も20年を超えて僕自身が経験、見聞きしてきたことが源といえば源になっています。一番最初にこの企画を考えた時はマジメで仕事はできるのにどこか抜けている真締くんを中心に巻き起こるオフィスコメディを考えていました。しかし描いていくうちにいつの間にか柔木さん、真締くんのメインの二人だけではなくその周りの人も色々と登場する形に現在はなっています。
――本作では、「わたしはあんまり仕事したくないんだよ」と乙原さんが公言するシーンが非常に印象的でした。本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあればお教えください。
これは良かったのかどうか分からないのですが、最後は乙原さんと生意気な若手社員を仲良くさせるというところに着地させたところでしょうか。どちらか一方を「悪」みたいにはしたくなかった気持ちがあります。プロットを考えた時点でこれは賛否が分かれるな…と思っていたためです。正直なところ、僕自身が若い頃はマンガの中の若手社員のように思っていた時期もありました。僕が所属している会社は創業からかなり長い年月を経ている老舗企業なんですが、ある時に飲み会やふとした時にマンガの中の乙原さんのような人の若い頃の話(武勇伝的な感じです)を聞いたりして会社の土台をこの人たちは作ってきたんだよな…と思い直したことがありました。マンガに対していろいろなコメントをいただきましたが、過去に頑張っていたからといっても、今頑張らないのは違う的な話もごもっともだな、なんてこともコメントを読んで思っていました。
――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
最後のページのエクセルの関数を関西スーパーとボケているところです。僕自身も十年以上大阪で働いていて関西スーパー(略して関スー)は馴染み深く、エクセルの関数という言葉を聞くたびに心の中で「関スー」と思っていたものです。声には出していませんでしたが。こういう微妙なボケというか細かい部分はマンガの中に入れれるタイミングがあればどんどん入れていきたいですね。
――本作では過去に乙原さんが根性で営業をかけたとありますが、まるいがんもさんが考える営業をかける際に必要なことや大切なことがあればお教えください。
実は僕は営業職に就いたことがなく、こちらの返答は分からない、というのが正直なところです。ただ、よく営業を受けることはあります。その時に受ける側としては何か同じ業種の他社さんとの違いが分からないと判断のしようもないな、ということはよく思っています。要は「売り」です。それが金額なのか、質なのか、特別な独自のサービスなのか。何かないと本当に判断しようがないとはいつも思っています。
――今後の展望や目標をお教えください。
たくさんあるのですが、今後も引き続きとにかくマンガを描いていって、もっとアウトプットの量を増やすことが目下の課題ではあります。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!
読んでくださりありがとうございます。これからもこの「真面目なマジメな真締くん」を含め様々なマンガを描いていきますので気が向いたら読んでいただけたら幸いです。