入江悠「長尾くんの名前が上がってきた時に、いけるなと思った」
――才蔵役を演じる長尾さんのキャスティング秘話などあればお聞かせください。
須藤:まずは大泉さんがいて、堤さんがいてという時に、少年から大人になるというプロセスを出せる人じゃないといけないなと。最初は大泉さんの後ろから子犬のように付いて来るぐらいのかわいらしさとか愛嬌が欲しいなと思っていたんです。そんな少年が、やがて最強の兵法者に成長する。そこで栗生プロデューサーが、「才蔵役にぴったりの子がいます」って。それが長尾くん。まさにあらゆる面で我々のイメージする才蔵でしたね。
入江:身体能力の高さというのが必須だったんです。 育っていくという意味で言うと、完成された大人っぽい人だと違いますし、伸びしろがないといけない。長尾くんの名前が上がってきた時に、いけるなと思いました。
――撮影でこだわっている面はありますか?
入江:今回は飢饉の時代の話なので、風光明媚な日本の自然は合わないんです。乾いていて食物が取れないし、 みんな栄養失調で亡くなっていくというような設定なので、砂塵や風などを使っています。いつも現場ではで大きな扇風機が回っていました。
須藤:通常の時代劇イメージだけでは観客に広がらないので、「アクション」という軸を大きく作っています。でも単純にアクションに傾くのではなく、洋風な「アクション」と日本映画の美しい「殺陣」のハイブリッドにこだわりました。大泉さんはすごくカッコいい殺陣をやって、長尾くんはすごくカッコいいアクションをやるという感じです。
――アクションシーンのワンカット撮影など、見どころがたくさんある映画だと感じます。
入江:アクション映画っていっぱい日本映画にもありますが、 この大作でどこまでできるか、俳優の皆さんに挑戦してもらおうと思いました。いろんな映像のテクニックで見せることはできるんですが、 ワンカット撮影のシーンに関しては見たことのないものにしたいなと。 ぜひ注目して見ていただきたいです。