山田洋次監督の最新作「おとうと」が1月30日(土)に公開初日を迎え、同日、出演者の吉永小百合、笑福亭鶴瓶、蒼井優、加瀬亮、石田ゆり子、小林稔侍と、山田監督が都内で舞台あいさつを行った。
本作は、山田監督の「十五才 学校IV」('00年)以来10年ぶりとなる現代劇。東京で堅実な生活を送る姉・吟子(吉永)と、破滅的な人生を歩む弟・鉄郎(鶴瓶)の再会と別れを描く。
吉永は「前日は、遠足の前日と同じように期待と不安で眠れませんでした」と笑顔で話した。
鶴瓶は「タクシーの運転手さんに“明日初日だね”と声を掛けてもらって、一般の方に初日を分かってもらえているというのがすごくうれしかったです。僕は昨日、遅くまで飲んでたので、すぐに眠れました」とコメント。
吟子の1人娘・小春を演じた蒼井は「わたしは母に対して素直になれないところがあったんですが、この作品をやらせていただいて、自分の母や父に対するありがたみを考え、それを素直に伝えるきっかけを作っていただきました」と話した。また、初出演となる山田監督の撮影現場については、「難しかったです。“山田学校”とも呼ばれているんですけれど、加瀬さんと一緒に入学できて心強かったです」と笑顔。
小春の幼なじみ役の加瀬は「山田監督は怖いと聞いていたんですが、全然そんなことはなくて。自分でも不思議なほどに緊張感がなく参加させていただきました」と振り返った。
ホスピスの職員役の石田は「わたしもいい年なので、最近は現場でしかってもらうということがあまりなかったのですが、監督にビシッとしかってもらえる瞬間が多々あって、ちょっと怖かったけれどうれしかったです」と山田監督に感謝した。
また、山田監督が第60回ベルリン国際映画祭で特別功労賞(ベルリナーレ・カメラ賞)を受賞することが発表された。山田監督に花束を渡した吉永は「2年前にベルリンで『母べえ』を上映しましたが、その時は賞を頂けなくて、ちょっとがっかりしながら監督と戻ってきました。ですから今日は本当にうれしいです」と興奮。続けて、鶴瓶は「吉永さんが監督を胴上げしたいってずっと言ってるんですよ。できないって言ってるんですけどね(笑)」と劇中とは逆に暴走する吉永を制止し、会場の笑いを誘っていた。
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