
歌麿への蔦重の熱い思いに感動
別の日、蔦重は南畝に狂歌集を自分のところから出してほしいと頼むが、すでに他の本屋から頼まれてすぐにはできないと返される。
「こっちも取り逃したってことか…」とつぶやく蔦重が、「俺ゃ、ちゃんと奉公もしてねえし、いろいろ足りてねえんじゃねえのかな」と弱音を吐くと、「けど、そこがいいとこじゃないか。だからこそ、ずっとやってるやつには出せねえもんを出せんじゃないか」と南畝。
蔦重が細見を薄くしたときには、「そう、きたか!」と感心したという。他の狂歌仲間もそれに賛同し、南畝は「お前さんにゃ、『そう、きたか』がお似合い」と改めて告げた。
表情が明るくなった蔦重は、さっそく南畝に青本や狂歌の指南書の執筆を依頼し、南畝は「そう、きたか!」と膝を叩いた。
さらに蔦重は、吉原の親父たちにも新たな錦絵の提案をする。ただ、蔦重は歌麿に描かせるつもりだったが、名の知られた絵師がいいと言われて、錦絵はやったことないが、戯作者としても評判になった政演にやらせることを思い付いた。
すると、その話を聞いた重政が、「歌にやってほしかった」とポツリ。駆け出しの絵師の絵を山ほど見る重政は、先々にどんな画風になるか読めるのだが、歌麿だけはどんな絵を描くのか読めないのだという。
重政の言葉を聞いた蔦重は思いを新たにする。「これからお前の名をどんどん売るぞ。絵は今のまま、人まねでいい。人まね上手の歌麿でお前の名を売る。したらよ、世間は思うわけだ、『こいつ、どんな絵を描きやがんだ』って。そこに、とんとぶつけんだ。お前ならではの、とんでもねえ画風の絵を」と歌麿に告げた。
歌麿は自分に気遣いはいらないと遠慮していると、「俺がそうしてえんだよ!」と蔦重。「お前は蔦屋史上とびきりの『そう、きたか』になるんだ」と、熱く語った。
蔦重の熱い思いに、顔をほころばせた歌麿。そんな2人に視聴者からは「ブロマンスが最高」「絆が尊い」「胸が熱くなった」の声が上がった。ブロマンスとは、男性同士の友情や絆を表す言葉。史実を考えれば不安もあるが、今は蔦重と歌麿の絆で駆け上がっていく様をじっくりと堪能したい。
◆文=ザテレビジョンドラマ部

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