
北村匠海「似た物同士というのは引かれ合うような気がする」
観客からの「実際の生活の中で先輩、後輩でいい関係を築くために心がけていることは?」という質問に対して、北村は「僕は、似た物同士というのは引かれ合うような気がするなと最近すごく感じています。だからこそ、いい先輩と同じような話ができるし、裕太のような後輩ともそういう話ができるし。まずは、自分の好きなものとか、自分が得意としてることとか、それが無ければ“探している”という現状とかを真っ直ぐ伸ばしてみると、おのずと同じような道を歩んできた先輩、これから同じような道を歩むであろう後輩が自然とできるような気がします」と答えた。
そして「自分は好きなものがたまたま古い映画、たまたま古いファッション、たまたま古い音楽だったりすると、おのずと現場でおじさんと仲良くなるんです(笑)。『あなた、本当に20代ですか?』という話になる。だから、自分の好きなことを信じて真っ直ぐ伸ばしてみたりするのは、人との関係を作るうえで自分の助けになるなっていうのを今、28(歳)の代になって感じています」と自身の経験も明かした。
林裕太が心掛けていることは「ピュアでいること」
同じ質問に林は「ピュアでいること。自分が誰かに対して思う感情をそのまま受け入れることって大事だと思っていて。自分は好きだからこの人と一緒にいたい、みたいなシンプルな感情を頑張って伝えてみるとか。恥ずかしいかもしれないけど、それが伝わったら自分はもっとうれしいし、そのやりとりを大切にするのが大事かなと思います」と回答。それを聞いて、北村は「僕が出会った中で(林が)一番ピュアです。おいしいものをちゃんとおいしいと言うとか。撮影中に『中華が食べたい』って言うんで、町中華に2人で行った時、すっごくおいしそうに食べてて。『こういう気持ち忘れてたなぁ』と先輩として引かれました。ピュアさが僕にはないので」と撮影期間中の印象的なエピソードを披露した。
「闇バイトをめぐる現状についてどう思いますか?」という質問には、北村は「一つ根底にあるのは『お金の価値ってなんだろう?』ということ。僕は8歳から芸能界にいて、社会に出て働いていますが、お金を稼ぐ意義だったり意味だったり理由だったり、その数字に何の価値があるのか?とタクヤを演じながらすごく感じていました。『生きる=お金』ではないと思いつつも、そこにすがるしかない状況の人もいるので否定も肯定もしません。ただ、そんなにお金はいいものではないのではと思ったりもします」と自身の考えを伝えた。
最後は北村が「この映画が伝えたいことは一つではないし、3人の誰を切り取るかでいろんな思いが変わってくると思います。でも、僕は一貫して“今を生きる理由”っていうのを探せる映画になってくれればいいなというのがあります。正直、生きるのが大変になっちゃったなって思います。自分の好きを見つけるのも難しい世の中なのかもしれません。でも、どうか自分を信じて、隣にいる人を信じて生きてみてほしいなと思います」というメッセージを伝えて締めくくった。
映画「愚か者の身分」は10月24日(金)より全国公開。
◆取材・文=田中隆信

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