
処罰が言い渡された蔦重に、ていがビンタ
意を決し命乞いに出向いたていは、平蔵の同席のもとで、定信の要請で幕府の儒官となった柴野栗山(嶋田久作)と対面。論語を引用しながら、蔦重が本にして救いたかった女郎は親兄弟を助けるために売られてくる「孝の者」とし、「不遇な孝の者を助(たす)くるは、正しきこと。どうか、儒の道に損なわぬお裁きを」と頭を下げた。
“お白洲”と呼ばれる裁きの場で処分が言い渡される日がきた。町奉行から蔦重に言い渡されたのは「身上半減」。聞き慣れない処分に、蔦重は空を仰ぎ、力なく「身を真っ二つってことにございますよね」と言った。
財産の半分を没収されることだと分かるとホッとする蔦重。ところが、「真に世のためとなる本を出すことを望んでの沙汰である」と告げられると、「真の世のため…それが難しいんですよねぇ」と話し始めた。
そして「どうでしょう?真に世のためとは何か、お奉行様、一度膝を詰めて。かなうなら、越中守(※定信のこと)…」と言いかけたところで、控えていたていが歩み寄り、蔦重のほほを叩いた。奉行所の者たちがあぜんとする中、倒れた蔦重の体を叩き続けるていは、「己の考えばかり!皆様がどれほど…」と涙を流し、「べらぼう!」と叫んだ。
自らの命をも投げ出す覚悟で命乞いしたていの願いがかない、命は助かった。なのに、この期に及んでも“たわける”蔦重が許せなかったのだろう。
ただ、蔦重は釈放されたあとも、たわける態度は変わらなかった。鶴屋らに迷惑をかけたことを詫びたとき、身上半減の処分で今後の金繰りを案じた蔦重は「間違えて借金も半分持ってってくんねえですかねえ」と冷笑。すると、今度は鶴屋が「ほんと、そういうところですよ!」と一喝した。
蔦重の“たわける”ところは、よい方向に向かうときもあるが、今回は巻き込んだ者もいて、さらに大勢の者が心配していたのだ。SNSには「おていさんと鶴屋さんの喝にしびれた」「おていさん肝座っててかっこいい」「お奉行の前で蔦重にビンタかますおていさん最高!!」「本気で怒ってくれる人がいてよかった」といった反響とともに、蔦重のブレなさを評価する声もあった。
◆文=ザテレビジョンドラマ部

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