中村倫也「極力真っすぐに言葉を吐こうという事を意識しました」
アフレコ前に作品と向き合うため現地へ赴いた主人公・田丸均役の板垣は、ペリリュー島に立った心境を問われると、「戦争は教科書の中で知るもの・見るものという認識でしたが、実際の地を訪問して島の土を踏む事で景色を見る事で、戦争が他人事・教科書の中のものではなく実際にあった歴史上の事なんだと実感が湧いてきました。その実感はアフレコする上でも助けになりました」と回答し、当時を生きた兵士への想いを馳せた。
史実に基づいた戦争アニメーションのアフレコについて聞かれた吉敷佳助役の中村は「まず身が引き締まる思いで、そして意義を感じ、誠実に臨みたいと思いました。芝居としては極力真っすぐに言葉を吐こうという事を意識しました。作る側もしっかりと重く受け止めて作るわけですが、ただそれを重みに感じずに届けたいという気持ちでした」と述べ、戦争を語り継ぐことの大切さを訴えた。
久慈監督は「映画化する上では徹底的に歴史を調べ、武田先生の原作から1歩2歩でもペリリュー島の景色やそこにあった音だとか皆さんに臨場感を持って観てもらえるよう、努力して誠心誠意作業しました」と紹介した。
ペリリュー島で戦った日本兵は終戦の事実を知らず、また受け入れる事が出来ず、2年以上もペリリュー島に潜伏していたという衝撃的史実に、板垣は「当時の事を考えると胸が痛いです」と沈痛な表情を浮かべながら「実際ペリリュー島を訪問すると、当時のガラス瓶の破片など日本兵たちの生活の跡が沢山残っていて、それを目の当たりにすると知らなかった事実を感じられたし、本作に臨むうえでそこに対する敬意と思いを大事にして伝えていかなければという気持ちを新たにしました。このような貴重な場を頂きましたので、知らない方たちへ届ける橋渡しができたらと思います」と言葉を選びながら語った。
板垣「愛子様も凄くフランクにお優しくてお話をしてくださった」
上映後には、本日の上映会の売上の一部を寄付する「一般社団法人 日本戦没者遺骨収集推進協会」「日本赤十字社」への贈呈式を実施。本作を代表して寄付金を贈呈した板垣は「20代の若者として何ができるのか、僕は表現者として作品を通して戦争の歴史やペリリュー島の事を伝える事が自分に出来る事だと思います。今日こうしてチャリティ上映会という貴重な機会を頂き、これをきっかけに何か一歩進むきっかけになれば嬉しいです」とコメントした。
その後、板垣と武田氏が囲み取材に参加。愛子様との対面の感想について板垣は「席に着いた際に愛子様の方から『同い年ですよね?』と声をかけていただき、上映後も『同世代として刺激を受けました』と言っていただけました。恐縮ながらもまさか愛子様と同級生トークが出来るとは思ってもいなかったので、非常に光栄でした」と感激。映画の感想も伝えられたそうで「この映画が沢山の方に広がって、戦争の歴史も沢山の方に広がるように心から願っています」と激励されたという。
愛子様との交流に当初は緊張したという板垣だが「本作に関して畏まってお話をするのかなと思っていましたが、愛子様も凄くフランクにお優しくてお話をしてくださったので全体的に和やかな空気でした」とその人柄に触れると、武田氏は「板垣さんが過去に出ていたドラマですとか、今出ているドラマをご家族で観ているという話をしていただきました」と明かし、板垣は「…まさかでした」と驚いていた。
































