1月クールは“全体的に高水準”と高評価! 「冬ドラマ満足度ベスト10」小田慶子編
「隣の家族は青く見える」青木朔役の北村匠海が気になる!
映画「勝手にふるえてろ」(2017年)でも好演した北村匠海が、同性愛者の役を自然に演じている。人懐っこいワンコのようでかわいい! 日本のドラマで同性愛者のカップルが養子を欲しいという設定は画期的で目が離せない。
総評 オリジナル脚本作品から原作ものに負けない魅力が!
「これはダメダメだぁ」と心が凍ってしまうような作品がほとんどなく、全体的に高水準。ドラマを見るのが楽しくて冬でもおうちでポッカポカ。脚本家で見ると、「anone」の坂元裕二、「アンナチュラル」の野木亜紀子、「99.9―」の宇田学がドラマオリジナルで原作ものに負けない魅力を打ち出してきている。
特に野木はミステリーのイメージがなかったが、TBSの“イヤミス”チーム(「リバース」「夜行観覧車」)と組んで見事に新境地を開いた。原作ありでは「きみが心に棲みついた」の吉澤智子が、「ダメな私に恋してください」(2016年)、「あなたのことはそれほど」(2017年、共にTBS系)に続いて上手い脚色。全体的に脚本、演出がしっかりしているところに、山崎賢人、広瀬すず、吉岡里帆らU-25の若手俳優が主演を張れる力を付けてきたのが頼もしい。
この中には入っていないが、NHK総合の「女子的生活」、NHK BSプレミアムの「平成細雪」も企画性がある秀作。その「女子的生活」「隣の家族は青く見える」など、LGBTのキャラクターが出てくる作品が多く、冷やかしではなくその実情をリアルに描こうとする姿勢にも拍手したい。
「海月姫」のオタク女子、「きみが心に棲みついた」の“キョドコ”も含め、多数派から弾かれた人たちが誰の目をはばかることもなく、自分らしく生きられるような社会がまずドラマの中で実現するといいな。
【Profile】小田慶子…テレビ誌編集者を経てフリーライターに。日本のドラマ、映画に精通し、雑誌やWebなどで幅広く活躍。
主演インタビューや編集部オリジナルのドラマニュースがまとめて読めます!
下のボタンから「友だち追加」しよう!