勉強していく過程を皆さんと楽しみたい
――「麦わらの挑戦」では本公演で右近さんが演じていたサディちゃんを坂東新悟さん、マルコを中村隼人さんが演じていました。
意外性というものをすごく感じました。意外性を狙って、2人はそれを提示しているつもりは全くなかったと思うんですけど、お稽古を見ていてそういうやり方もあるのか、と。
でも自然と古典になっているというか…。僕が作ったベースを踏襲した上で自由にやってくれているんです。
こうして何人もの人が1つの役を演じていくうちに洗練されて、型といわれるようになって、継承されていくんじゃないかな、という継承の発端みたいものを垣間見た気がしましたね。
それに則ってやってくれているというのは僕に対する敬意を感じるし、ありがたいと思いました。
その上で自分の考えをぶつけてきてくれるっていうのは僕にとって新鮮でもあり、喜ばしいことでもあったし、逆に勉強にもなって刺激をもらうこともたくさんありましたね。
――“新しい古典”が生まれる瞬間ですね。そんな長年愛され続けている歌舞伎、古典音楽の魅力だと思う部分を教えてください。
時代を超えて人が共感する普遍性ですかね。例えば三味線の音色は、日本人にとってすごく癒やしだったり、音で情景が浮かんだり、そういう同じチャンネルを持ってるものだと思うんです。
それにちょっと説明がつくだけでより入り込んでいけるものだと思うのですが、どうしても“難しそう”という印象のままだと、感覚的な部分で共鳴するとか共感するってところまでいかないですよね。だからその入り口に立てたらいいな、というのが目標です。
そして歌舞伎や清元、古典音楽、その他のことも自分が仕事として触れていくなかで、知らなかったことを知る機会がたくさんあると思うんですよ。
そういう勉強していく過程を皆さんと楽しみながら、成長していけるようなパーソナリティーの務め方ができたらいいなと思います。
4月6日(金)スタート
毎週金曜朝11:00-11:50
NHK-FMにて放送
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