夏井いつき先生コメント
発想力というか、お題「雨の銀座」での「デパートの紙袋にビニールをかけてくれることで外が雨だと知る」とか、お題「冬の帰り道」での「750ccのタンクにしがみつくとか」、ああいう切り口を持ってる、そういことに気付くアンテナを持っている人なので化けるとは思ってるんですよ。
ただ、このタイプの人の1つの落とし穴は、普通の人間にとっては普通のことが自分にとってはすごく珍しいことに感じることがあって。
そこに落ちないように進んでいかれたら、相当化けると思いますね。しつこく1つのこと考える人だと思いますし、私が俳句の説明している時にモニターに映ってる顔を見たら本当に真剣に聞いてくださってるんですよ。
あの真剣味がうれしい。歌や絵はうまい人が急にヘタになったりはしないですが、俳句は17音しかないから、1つ間違えたら全体が崩れていくんです。
上手の手からいくらでも水は漏れていく。昇格したり降格したりはありますが、分からないってことが逆に自分の可能性だと思われたらいいと思いますね。
■4月7日(土)は「いけばな」名人の座を背負い新企画「押し花」に挑戦する紫吹淳に直撃!
取材・文=国川恭子