花江夏樹が現在、アニメ「ピアノの森」(毎週日曜夜0:10‐0:35、NHK総合)に出演中。主人公・一ノ瀬海(カイ/CV:斉藤壮馬)の親友、そしてライバルでもある修平を演じる花江に、作品について語ってもらった。
「ピアノの森」は、森に捨てられたピアノをおもちゃ代わりにして育ったカイの姿を描くクラシック音楽アニメ。カイが、かつての天才ピアニスト・阿字野壮介(CV:諏訪部順一)、ピアノの英才教育を受けて育った修平らと出会い、その中でピアノの才能を開花させる。やがてショパン・コンクールで世界に挑んでいく。
――初めに、花江さんが演じられている修平がどんなキャラクターか教えていただけますか。
青年期の修平は、カイに対してコンプレックスというか、憧れのような感情を持っていて、カイを超えたいっていう気持ちがあります。自分のピアノを、まだ好きになれていないっていう状態。でも、カイを超えたいっていう気持ちが先行してしまって、自分を見失ったり、余計な事に取りつかれて、「コンクールに支障が出ないかな?」っていう部分が見て取れますね。
僕は、修平の気持ちがすごく分かるんです。他人と自分を比べてしまうっていうのはあることだと思いますし、自分が小さい頃からあんなに練習していたものを、カイがより心に響くピアノで、いとも簡単に超えてきて自信をなくしてしまうっていうことって、普通の人間だったらあると思うんですよ。だから、イライラしている気持ちはすごく分かるし、「頑張れ!」って思います。でもやっぱり、自分と似ているところとか、共感できるところが多い分、あんまり好きになれないんですよね(笑)。ちょっと、ダブらせてしまう部分があって。
オーディションではカイと修平の両方を受けたんですけど、カイの方が格好良いというか、見ていて憧れる部分があるので、本当はカイを演じたいなと思っていました。カイと修平を演じて、カイの後に修平を演じさせていただいたんですけど、修平のセリフを言う自分の中で修平とシンクロしているなと思って。
オーディションの時って大体「ああすれば良かったかな?」「違ったかな?」とか、「いまいち、シックリこなかったな」っていうことが多かったんですけど、修平の時は「何か降りてきてるな」と思いながらオーディションを終えたので、「カイが良かったんだけど、修平が演じやすい」って。今では、すごく修平のことが好きです。台本を読んでいくうちに、彼の事が色々分かって。最初はそんな始まりでしたね。
――修平が先で、その後にカイを演じていたら、もしかしたらカイの方がしっくりきたっていうことはありますか?
いえ、修平だったと思います。自分でもカイに合ってるなと思う部分はあったんですけど、ふとした時のニュアンスってちょっと違うなとか、違和感がちょっとあるなとも思ったんですね。なので、結果的には自分のやりたいお芝居ができるのが修平だったんだと思います。
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