ちょっとした色味の違いで時代感が出るので、色の組み合わせやトーンは特にこだわっています。
――福子の衣装のポイントを教えてください。
物語冒頭(昭和初期)の福子の外出用の衣装は、当時の流行である「ワンピース」が多いです。
当時はまだ既製品がないので、服はすべて「手作り」です。福子の衣装も一から作った手作りの物か、古着屋で見つけた当時の服をアレンジして使っています。
福子の家庭はあまり裕福ではないので、服の数は最低限。カーディガンを羽織るなどして、通年着られるようなものにしています。福子の服は、母親の鈴(松坂慶子)や長女の咲(内田有紀)が作ってあげたものです。
決して豪華ではないけれど、襟や袖口、ボタンなど細部までこだわって作成しました。鈴や咲の福子への愛情が込められた服です。
さらに特徴的なのは「色」です。福子の衣装の多くは「常盤色」と「蒲色」いう日本の色をベースに揃えました。日本独特の色の組み合わせを用い、鮮やかで品のある配色を意識しました。
これらの配色は昭和初期のポスターやマッチ箱などにもよく使われています。ちょっとした色味の違いで時代感が出るので、色の組み合わせやトーンは特にこだわっています。
――衣装を決めていく中で、安藤さんや監督と相談して決めたことなどはありますか?
まず美術チームで、台本や監督の話をもとに、「キャラクターのイメージシート」を作りました。それをたたき台にして、安藤さんや監督と「福子」というキャラクターについて、アイディアを出し合い、細かくすり合わせていきました。
その中でも特に悩んだのは「髪形」です。安藤さんは、髪形によって印象が大きく変わります。実際に何パターンも試した結果、おっとりと柔らかい印象のおかっぱ頭にしました。
毎週月~土曜朝8:00-8:15ほか
NHK総合ほかで放送
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