独断と偏見のレビュー
まさに鉄板! これを鉄板と言わずして、何を鉄板と言うのか。やや暗い照明の店で医学会の重鎮たちが横一列に並んでA5ランクのステーキを食べていそうな鉄板焼き店の鉄板ぐらい鉄板だ。
もはや眠る前のヒーリング音楽のような安心感を味わえる(?)米倉のヒールの足音、ボイスメモで大事なことをメモするスタイリッシュさに、人懐っこい雰囲気をまといつつも“アネゴ肌”、どこかアメリカナイズされたような立ち居振る舞い。
そして弁護士資格を剥奪されてしまったけど、実は誰よりも腕の立つ元弁護士…。よくもまあここまで破天荒で魅力的なヒロインを作り上げたな、という突き抜けたキャラクターだ。
趣味=手術、特技=手術のアノ人とは違った意味で個性も主張も強めだが、どちらかというとこっちの方が親しみやすい。だってあの美貌で「鉄道オタク」なんですってよ? 奥さん!
弁が立つのは間違いないのだが、駅弁への食いつき方といい行きつけの店といい、にじみ出る庶民の味方オーラが人をひきつけるのではないだろうか。筆者もあんな人に声をかけられたらホイホイ今の立場を捨てて行ってしまうだろう。
まあ、窓際の執筆人に立場もくそもないのだが…。
そしてそんな翔子の手足となって働く若手弁護士・青島。演じるのは、みんな大好き林遣都だ。
これまたズルイ。ビジュアルからして「これでかわいくないはずがない」といわんばかりのビジュアルだが、これがまた期待を裏切らないばかりか、お釣りが多過ぎてがま口財布がパンパンになるレベル。
恐らくいろいろな意味でファンの期待がすさまじいのだろうけど、安心してください、余裕で越えてきますよ。特に翔子の青島の呼び方がもう絶妙過ぎて、考えた人に個人的にドラマアカデミー賞を贈りたい。(※そんな権限はありません)
京極法律事務所でいえば、「代表弁護士」と聞いたときの高橋英樹の顔! 大御所を捕まえて言うことじゃないが、か、かわい過ぎる。
大事なことなのでもう一度言う。前出のシーンだけでなく第1話を通して言えることだが、高橋がかわい過ぎる。この魅力、焼き“餅”をやく。
一方で敵対する大手法律事務所「Felix & Temma法律事務所」のメンバーはこれでもか、というくらい出来過ぎなくらい“適役”な敵キャラぞろいだ。
スマートかつ嫌味たっぷりなエリート弁護士役の向井に、翔子をライバル視する野心家弁護士・白鳥美奈子役の菜々緒、そして人が良さそうな笑みを浮かべながら目が笑ってない日本弁護士界のドンでもある代表弁護士・天馬壮一郎役の小日向文世。
キャスト部分を隠して台本を読んでもズバリ当てられそうなくらいハマり役ぞろい。もちろん詳しくは言えないが、ある場面での向井の表情は、嫌味を通り越してゾッとしたし、菜々緒にはゾッとするくらい叱られたい。
というか、向井、菜々緒、そして宮本茉由って…Felix & Temma法律事務所のメンバーは、優秀な上に顔面偏差値高過ぎやしませんかね。
その他、京極法律事務所のクセが強いパラリーガルたちに、今度は何の“魔術師”(?)なヤメ検弁護士役の勝村、第1話ゲストとして痴漢容疑がかけられた大手企業の社員にこれまたハマリ役(失礼)な児嶋、この夏丸刈りスタイルで話題をさらった山谷…と、油断も隙もない面々。
個人的には米倉がいるところに“アキラさん”あり!の三浦演じる茅野明のキャラクターが気になるところ。ホストでパラリーガルって斬新過ぎるぞ。
あとは劇中ドラマの「現場百回 刑事 鎧塚平八」って。電車内広告までこだわり過ぎ。
但馬鉄平って誰なんだろう…。たぶんあの人だよなあというのはあるけど、なんとなく“糸口は現場にある”気がする。いずれ明らかになるといいな。
第1話からネタが豊富過ぎて15分拡大でもあっという間に終わってしまった。忖度でも何でもなく、ここで筆者ごときが何を書こうが、間違いなく視聴率も鉄板で高いのだろうな。
それはともかく、そろそろ国家に命じられたミッション遂行のため、しばらく休みをもらおう。
その権利も認められなかったら、青島くんに弁護してもらうしかない。
文=人見知りシャイボーイ