“車”をキーワードに見る秋の映画! 橋本愛主演「ここは退屈迎えに来て」
今秋公開の映画は、“車”をキーアイテムにした作品が続く。そのひとつが、10月19日(金)より全国公開となる「ここは退屈迎えに来て」だ。
同作は、「R-18文学賞」読者賞を受賞した山内マリコの処女小説の映画化。廣木隆一監督のもと、橋本愛、門脇麦、成田凌が共演。
地方都市を舞台に、2004年の高校時代から2013年の現在まで、みんなの憧れの的だった「椎名くん」を柱にキャラクターを交差させながら描く、痛く切ないロードムービーとなっている。
登場人物のほとんどが車と共に登場し、それぞれのキャラクターの内面に深い関りを持つ。
東京から戻って来て間もない橋本演じるフリーライターの「私」はマイカーを持っておらず、行動を共にする村上淳演じるカメラマン「須賀」の愛車に乗せてもらって仕事をしている。その「須賀」の愛車は、フォードのブロンコ。白と緑に塗装した外車は、人と同じものは嫌だという価値観が表現されている。
「椎名くん」への未練から、地元に残る決意ができていない門脇演じる「あたし」は免許すら持っていない。彼女はなぜ免許を取ろうとしなかったのか。
そして、成田演じる「椎名くん」が勤める教習所の車は、ピンクのセダン。これは原作者の故郷である富山県のスタンダードということで、本作にも設定がつけられた。
一方、「私」や「椎名くん」の同級生「新保くん」(渡辺大知)が乗るのは原付バイクだ。「椎名くん」にひそかな憧れを抱き、孤独と共に生きる彼の心情が一人乗りのバイクで表されている。
その他にも、ある理由から仕事中に女子高校生と会い続けているマキタスポーツ演じる「皆川」は社用車のADバンで、瀧内公美演じる家庭教師の「まなみ先生」は当時の女子大学生に人気だった軽自動車のマーチといった具合に、キャラクターを色付ける重要な役割を果たしている。
また、劇中、ストーリー上では共演しない登場人物同士の車がさりげなくすれ違うシーンも描かれ、廣木監督は道選びにこだわったという。
2018年10月19日(金)より全国公開