「中学聖日記」禁断シチュエーションを少女漫画大好き芸人が読む!
片田舎の中学校に赴任した女性教師・聖(有村架純)と、教え子・晶(岡田健史)の純愛を描く「中学聖日記」(TBS系)。
放送前から話題を呼んでいた同作だが、放送開始後は初めての恋心に戸惑う晶の初々しさや切なさ、恋や仕事に葛藤するさなかに思春期の有り余るエネルギーをぶつけられる、聖の危うさに注目が集まっている。
そんな同作の魅力を、原作ファンでもある芸人・別冊なかむらりょうこが解説! 漫画家・東村アキコのアシスタントも務める彼女が、約3000作の漫画を読んだ“少女漫画マニア”としての目線で、胸を打つセリフやシーンの数々を読み解く。
予測不可能な行動で聖を翻弄(ほんろう)する晶!
担任として赴任してきた聖に一目でひかれた晶は、揺れ動く自分の心に戸惑い、聖に当たってしまう。恋しているからこそ、自分が生徒として皆と同等に扱われることにいらだっているのだが、聖に思わず手を上げたり、「教師に向いてない」と責めた直後に「僕のどこが好きですか?」と聞いたり、無軌道な言動は教師としての経験が浅い聖を翻弄する。
【別冊なかむらりょうこが読む!】第一印象が最悪の相手と恋に落ちるのは、少女漫画の王道です(笑)。とりわけ晶は、平凡に生きてきた聖の固定観念をことごとく壊す破壊神のような存在。このビンタも、一般的な「教師と生徒」という関係性を否定するような一撃! 聖が晶を既存の枠組みにはめようとするほど、晶はそこから押し出ようと鋭い言動をぶつけていくので、聖は揺さぶられてしまいますね。
イケメンで独特な雰囲気を持つ晶は、おそらく、るな(小野莉奈)ら同級生からも別格視されてきたはず。だから自分を一生徒としてしか見ない聖に反発するし、幼い子供が母親の気を引こうとするように、彼女が心の底に押し込めていた本当の姿まで言い当てるような、芯を突いたことを言うのだと思います。
情熱的過ぎる告白は禁断の恋への第一歩!?
聖への思いを自覚した晶は大胆にも「先生のこと好きになっちゃいました」とド直球な告白を(第1話)。その後も図書館で「僕のことも先生に好きになってほしい」と迫ったかと思えば、体育祭の真っ最中に聖の腕をつかみ、体育倉庫まで連れ込む始末。晶との距離を測りかねた聖は「こういうの迷惑だから、やめて」と拒絶するので精いっぱい。
【別冊なかむらりょうこが読む!】少女漫画だったら「見開きでどうぞ!」みたいな幸せなセリフなのに、素直に喜べないのがこの作品(笑)。イケナイ恋でも、普通の少女漫画は「だめだよ…」って言いながら9割キュンとしているものですが、この作品は「だめだよ…」が9割。その描き方がリアル以上にリアルです。ここでしっかり聖が拒絶する辺りは、原作以上に大人としての距離を保って描かれています。
毎週火曜 夜10:00-11:07
TBS系で放送